米11月コアCPI、前月比0.2%上昇―市場予想通り

経済

2020/12/11 11:07

<チェックポイント>

●ホテルや自動車保険、アパレルが前月比で大幅改善

●前年比は1.6%上昇―10月から横ばい

●全体指数、前月比0.2%上昇―市場予想上回る

 米労働省が10日発表した11月CPI(消費者物価指数)は、FRB(米連邦準備制度理事会)が重視しているコアCPI(価格変動が激しいエネルギーと食品を除いたもの)は前月比0.2%上昇と、市場予想と一致し、4カ月ぶりに伸びが加速した。一方、前年比は1.6%上昇と、10月から横ばい。8カ月連続でFRBの物価目標(2%上昇)を下回った。

 コア指数の前月比の内訳は、ホテル宿泊料が4.5%上昇(10月は3.7%低下)、レンタカー料金も同4.4%上昇(同7.4%上昇)と、高い伸びとなった。次いで旅客輸送が回復し始めた航空各社の航空運賃は3.5%上昇(同6.3%上昇)、自動車保険が1.1%上昇(同2.3%低下)、アパレルが0.9%上昇(同1.2%低下)となった。このほか、アルコール飲料は0.4%上昇(同0.3%上昇)、自動車修理も0.4%上昇(同0.1%上昇)となっている。

 これとは対照的に、中古車(乗用車とトラック)は1.3%低下(10月は0.1%低下)となった。医薬品や医療装置など医療関連資材は0.3%低下(同0.8%低下)、新車は0.1%低下(同0.4%上昇)となった。メディカルケアサービス(処方箋代や病院治療費)も0.1%低下(同0.3%低下)となったが、このうち病院治療費は0.3%上昇(同0.6%低下)だった。

 一方、CPI全体指数(季節調整後)はエネルギーが大幅に上昇したため、前月比0.2%上昇と、10月の同横ばいを上回り、4カ月ぶりに伸びが加速。市場予想の0.1%上昇も上回った。

 エネルギーのうち、前月比でガソリンは0.4%低下と、10月の0.5%低下に続いて2カ月連続の低下となったが、重油が同3.6%上昇と、3カ月ぶりに上昇に転じた。この結果、エネルギー全体では0.4%上昇(10月は0.1%上昇)と、伸びが急加速し、9月の0.8%上昇以来2カ月ぶりの高い伸びとなった。また、6カ月連続の上昇となっている。

 一方、食品は0.1%低下と、7月の0.4%低下以来、4カ月ぶりに低下した。外出制限が強まり、店内での食事の機会が減ったため、レストランなどで提供された外食価格は0.1%上昇と、2カ月連続で減速した。一方、自宅調理用の食品は0.3%低下と、9月以来2カ月ぶりに低下に転じた。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:モーニングスター社

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