FOMC、政策金利と量的金融緩和を据え置き―雇用最大化と物価目標に進展があるまで緩和継続

経済

FOMC

2020/12/17 10:36

<チェックポイント>

●FOMCメンバー大半が23年末までゼロ金利政策の据え置きを予想

●GDP見通し―20年2.4%減、21年4.2%増、22年3.2%に上方修正

●米経済は今後数カ月、かなり困難な状況に直面する―パウエルFRB議長

 FRB(米連邦準備制度理事会)は16日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で、政策金利であるFF(フェデラル・ファンド)金利の誘導目標を現状のゼロ金利(0-0.25%)に据え置くことを全員一致で決めた。市場予想通りだった。

 また、当面の金融政策について、FRBは会合後に発表した声明文で、前回11月会合時と同様、「われわれは長期にわたり、雇用の最大化と2%上昇の物価目標の達成を目指す。インフレ率が物価目標を執拗に下回っていることから、FRBはインフレ率が当分の間、緩やかに物価目標の2%上昇をオーバーシュートすることを目指す」とし、一定期間の平均でインフレ率を物価目標に収束させる、いわゆる「平均インフレ目標政策(AIT)」のフォワードガイダンスの継続を改めて強調。その上で、「雇用市場の状況が雇用の最大化と判断できる水準に達し、また、インフレ率が2%上昇に達し、当分の間、緩やかに物価目標の2%上昇をオーバーシュートする軌道に乗るまで、現状のゼロ金利水準を継続することが適切だ」と述べている。

 ゼロ金利の継続期間については、今回の会合で発表された18人のFOMC委員による最新の経済・金融政策見通しによると、23年の金利予測を示す「ドット・チャート」の中央値で13人(前回9月予想も13人)が0.125%と予想した。これは23年末までゼロ金利政策が据え置かれることを示すもの。市場ではFRBが景気回復を受け、利上げに転換するのは早くても24年になると見ている。

 また、市場の最大の関心だった量的金融緩和(QE)政策の質と量の両面からの調整(見直し)については、国債買い入れ目標の月800億ドル、MBS(不動産担保証券)の月400億ドルともに据え置かれた。市場の一部では現在の堅調な株式相場を支えている国債買い入れの規模が拡大されると予想していた。

 一方、結果重視のフォワードガイダンス(金融政策の指針)を示した。声明文では、「われわれの2つの使命である雇用の最大化と物価目標の達成に向かって、さらなる大きな前進が見られるまで国債買い入れを継続する」とした。FRBは前回会合で、「今後数カ月、国債とMBS(不動産担保証券)の買い入れを少なくとも現在のペースで増やす」と、「数カ月」と時間軸で示していたが、今回の会合では所要の結果が出るまでとした。

 パウエルFRB議長は会見で、「21年6月以降、米経済は力強く拡大する」としたものの、「今後数カ月、米経済はかなり困難な状況に直面する」「今後4-6カ月がカギとなる。米議会による追加景気刺激策がこうした苦境を乗り越えるための助けになる。財政出動が必要という正当性はかなり強い」と財政出動の必要性を改めて強調した。

 また、同議長は新型コロナウイルス向けワクチンの導入開始による経済への影響について、「ワクチンのニュースは経済にとって前向きとなるが、ワクチンにより集団免疫ができるのは21年の半ばか下期(7-12月)になる。経済への影響を正確に測ることはまだ難しい」とワクチン効果に依存するのは時期尚早との見方を示した。

 FOMC委員の最新の経済・金融政策見通し(中央値)によると、GDP(国内総生産)見通しは20年が2.4%減(9月予想時点は3.7%減)、21年が4.2%増(同4.0%増)、22年が3.2%増(3.0%増)と、いずれも上方修正されたが、23年は2.4%増(同2.5%増)と下方修正された。失業率は、20年が6.7%(同7.6%)、21年は5.0%(同5.5%)、22年は4.2%(同4.6%)と、いずれも改善方向に修正された。コアインフレ率については、20年が1.4%上昇(同1.5%上昇)、21年は1.8%上昇(同1.7%上昇)、22年は1.9%上昇(同1.8%上昇)、23年は2.0%上昇(同2.0%上昇)と、23年にようやく物価目標に達すると予想している。

 次回のFOMC会合は21年1月26-27日に開かれる予定。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:モーニングスター社

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