(再送)米10月S&PコアロジックCS住宅価格指数、前年比8.4%上昇―6年7カ月ぶり高い伸び

経済

2020/12/30 11:18

<チェックポイント>

●20都市圏、前年比7.9%上昇に加速―市場予想大幅に上回る

●フェニックスとシアトル、サンディエゴの上昇顕著

●10都市圏、前年比7.5%上昇に加速―20カ月連続の上昇

 米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が30日発表した米10月S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数(季節調整前)は、一戸建て中古住宅の価格動向を示す総合指数である全米住宅価格指数が前月比1.4%上昇の229.93と、9月の同1.2%上昇を上回った。季節要因を無視できる前年比も8.4%上昇と、9月の同7.0%上昇から伸びが加速し、14年3月以来6年7カ月ぶりの高い伸びとなった。

 S&P500指数を運営している米S&Pダウジョーンズ・インデックスのマネージング・ディレクター兼指数管理担当責任者であるクレイグ・ラザラ氏は、「10月の強い結果はパンデミック(感染症の世界的大流行)によって抑制された住宅購入需要がまだ完全には戻ってはいないものの、ここ数カ月のデータを見る限り、パンデミックを受けて、住宅取得者は都心のアパートから郊外の一戸建てへの住宅購入にシフトしている」とし、今後も価格の上昇勢いが続くとの見方を示した。

 市場の関心が高い主要20都市圏の価格指数(季節調整前)は前月比1.3%上昇の235.77と、前月(9月)の1.3%上昇と同じ伸びとなった。一方、前年比は7.9%上昇と、9月の6.6%上昇を上回り、4カ月連続で伸びが加速。市場予想の6.9%上昇を大幅に上回り、18年4月以来2年6カ月ぶりの高い伸びとなった。

 都市別では、集計が可能となった19都市のうち、前月と同様、西部と南東部が顕著な伸びとなった。フェニックスは前年比12.7%上昇と、最も高い伸びを示し、17カ月連続でトップとなった。次いで、シアトルが同11.7%上昇、サンディエゴが同11.6%上昇、クリーブランドとボストンがそれぞれ9.5%上昇と9.4%上昇、ポートランドが8.9%上昇、シャーロットとタンパが同8.6%上昇となった。

 反対に低い伸びとなったのは北東部の大都市圏で、ニューヨークは同6.0%上昇だった。このほか、シカゴは同6.3%上昇、ダラスは同6.5%上昇と、全国平均(8.4%上昇)を下回ったが、伸びは加速した。今回の統計でも20都市中、デトロイトだけがパンデミックの影響で調査できなかった。

 主要10都市圏の価格指数(季節調整前)は前月比1.4%上昇の248.58と、9月の同1.3%上昇を上回り、4カ月連続で加速した。前年比も7.5%上昇と、9月の6.2%上昇を上回った。10都市圏価格指数は金融危機前の06年6月のピーク(226.29)を20カ月連続で上回っている。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:モーニングスター社

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