<新興国eye>世銀のトルコ経済見通し、20年は0.5%増―前回予想から改善方向に修正

新興国

2021/1/8 11:20

 世界銀行が5日発表した最新の世界経済見通し(12月調査)によると、トルコの20年GDP(国内総生産)は前年比0.5%増と、新型コロナのパンデミック(感染症の世界的大流行)による経済活動の自粛や企業投資と外需の落ち込みから回復する。19年の0.9%増を下回るものの、前回20年6月予想時点の3.8%減から大きく改善方向に修正された。

 21年は内需回復が進み、同4.5%増になると予想している。しかし、急激な新型コロナ感染再拡大で想定ほど観光収入が伸びないことや、インフレ抑制のための金融引き締め政策により、前回予想時点の5.0%増から鈍化方向に修正された。22年の見通しは5.0%増を予想している。

 トルコ経済は外国人旅行者からの観光収入に依存しているため、新型コロナ感染拡大を受け、観光業の低迷が長期化すれば、成長率はかなり鈍化するリスクがあるとしている。

 また、「トルコ中銀の金融引き締め政策にもかかわらず、通貨トルコリラの下落に歯止めがかからず、(不況時に規制を緩和して景気回復を支援し、景気回復時には規制を厳格化するという)カウンターシクリカル(景気変動抑制的)な政策の余地が小さくなっている」と懸念を示している。

 一方、トルコ政府は20年9月29日、21-23年の新中期3カ年経済計画を発表し、20年の経済成長率はパンデミックの悪影響により、標準シナリオで0.3%増(最悪シナリオで1.5%減)と予想。21年は5.8%増(同3.7%増)と、V字回復し、22年と23年はいずれも5.0%増の安定成長に戻ると見ている。

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 iS新興国<1362.T>、上場MSエマ<1681.T>

提供:モーニングスター社

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