米20年12月コアCPI、前月比0.1%上昇―伸び鈍化も市場予想通り

経済

2021/1/14 10:33

<チェックポイント>

●車保険やアパレル、新車が上昇―航空料金大幅低下

●前年比は1.6%上昇―3カ月連続で横ばい

●全体指数、前月比0.4%上昇―ガソリン急騰が押し上げ要因に

 米労働省が13日発表した20年12月CPI(消費者物価指数)は、FRB(米連邦準備制度理事会)が重視しているコアCPI(価格変動が激しいエネルギーと食品を除いたもの)が前月比0.1%上昇と、11月の0.2%上昇を下回ったものの、市場予想と一致した。一方、前年比は1.6%上昇と3カ月連続で横ばいとなった。

 コア指数の前月比の内訳は、ホテル宿泊料が横ばい(11月は4.5%上昇)となったほか、レンタカー料金は同5.6%低下(同4.4%上昇)、旅客輸送が回復し始めた航空各社の航空運賃は2.3%低下(同3.5%上昇)と、11月の高い伸びから急低下した。中古車(乗用車とトラック)も1.2%低下(同1.3%低下)、医薬品や医療装置など医療関連資材は0.4%低下(同0.3%低下)と、一段と減速した。アルコール飲料は横ばい(同0.4%上昇)、自動車修理は横ばい(同0.4%上昇)、メディカルケアサービス(処方箋代や病院治療費)は0.1%低下(同0.1%低下)となった。

 これとは対照的に、自動車保険が1.4%上昇(同1.1%上昇)、アパレルも1.4%上昇(同0.9%上昇)と、伸びが加速した。このほか、新車が0.4%上昇(同0.1%低下)、メディカルケアサービスのうち、病院治療費は0.3%上昇(同0.3%上昇)となった。

 債券市場では12月のコアCPIが依然、抑制されていることを受け、10年国債の債券価格と反対方向に動く利回りはCPI統計の発表直後、0.005ポイント低下の1.133%となった。統計発表前はバイデン次期大統領が追加景気刺激策を打ち出し、FRB(米連邦準備制度理事会)も国債買い入れ継続による金融緩和ペースを緩める恐れがあるとして、国債が売られ、利回りが急伸していたが、CPI統計発表後は、利回り上昇の勢いが一服した。

 一方、CPI全体指数(季節調整後)はエネルギーが大幅に上昇したため、前月比0.4%上昇と、前月の0.2%上昇を上回り、7月の0.6%上昇以来5カ月ぶりの高い伸びとなった。市場予想とも一致した。

 エネルギーのうち、前月比でガソリンは8.4%上昇と3カ月ぶりに上昇に転じ、6月の12.3%上昇以来、6カ月ぶりの高い伸びとなった。重油は同10.0%上昇と2カ月連続で伸びが加速し、6月の10.2%上昇以来6カ月ぶりの高い伸びとなった。この結果、エネルギー全体では4.0%上昇(11月は0.4%上昇)と伸びが急加速し、6月の5.1%上昇以来6カ月ぶりの高い伸びとなった。

 一方、食品は0.4%上昇と、前月の0.1%低下から上昇に転じ、6月の0.6%上昇以来、6カ月ぶりの高い伸びとなった。外出制限が強まる中でもレストランなどで提供された外食価格は0.4%上昇と、11月の0.1%上昇から伸びが加速した。一方、自宅調理用の食品は0.4%上昇と、6月以来6カ月ぶりの高い伸びとなった。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:モーニングスター社

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