<新興国eye>カンボジア、プノンペン新空港までの高速道路を建設へ

新興国

2021/1/15 10:39

 カンボジアの建設業大手オーバーシーズ・カンボジア・インベストメント・コーポレーション(OCIC)は、現在建設中のプノンペン新空港とプノンペン市街を結ぶ高速道路の建設構想を発表しました。

 合計21キロメートルの高速道路は、2つのフェーズで建設される計画で、第1フェーズは、フン・セン大通りと271通りとの交差点付近からフン・セン大通り上に高架道路約10キロメートルを建設します。第2フェーズでは、経路は不明確ですが、国道2号線と新空港を結ぶ約11キロメートルとなるとしています。総工費は約4億ドル(約412億円)の見込みです。第1フェーズは、21年中にも着工し、新空港の開港直後の23年には完成させたいとしています。

 OCICは、カンボジア民間航空局(SSCA)との共同出資会社を設立し、プノンペン新空港の建設を進めています。空港建設工事は、3期に分けて進められています。第1期は2023年までに供用を開始したいとしており、現在進ちょく率約30%とのことです。

 プノンペン新空港は、プノンペン中心部からの交通アクセスの整備が課題と見られていましたが、大胆な構想が発表されました。資金手当てやコスト回収(高速道路料金等)が発表されていないため、詳細は不明ですが、民間企業だけで対応するのは様々な困難を伴うものと見られます。今後の進ちょくが注目されます。

【筆者:鈴木博】

1959年東京生まれ。東京大学経済学部卒。82年から、政府系金融機関の海外経済協力基金(OECF)、国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)などで、政府開発援助(円借款)業務に長年携わる。2007年からカンボジア経済財政省・上席顧問エコノミスト。09年カンボジア政府よりサハメトレイ勲章受章。10年よりカンボジア総合研究所CEO/チーフエコノミストとして、カンボジアと日本企業のWin-Winを目指して経済調査、情報提供など行っている。

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提供:モーニングスター社

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