米12月小売売上高、前月比0.7%減―3カ月連続減少で市場予想下回る

経済

2021/1/18 9:25

<チェックポイント>

●オンライン小売や家電、百貨店、レストラン・バーが急減

●11月小売売上高、前月比1.4%減に下方改定―改定前は同1.1%減

●コア小売売上高、前月比1.9%減―20年10-12月期GDP押し下げへ

 米商務省が15日発表した20年12月の小売売上高(季節・営業日調整後)は速報値ベースで前月比0.7%減の5409億ドルと、11月の同1.4%減(改定前は1.1%減)に続いて3カ月連続の減少となった。新型コロナウイルスの感染再拡大による雇用回復ペースの鈍化が影響した。前年比は2.9%増となり、11月の3.7%増や10月の5.5%増を下回り、伸びは鈍化傾向だ。

 前月比の内訳は、全13業種のうち、8業種で減少し、5業種で増加した。減少幅が最も大きかったのは、月ごとに変動が激しいガソリンスタンドを除くと、オンライン小売の5.8%減(11月は1.6%減)で2カ月連続の減少。次いで、電子機器・家電の同4.9%減(同8.3%減)、レストラン・バーの同4.5%減(同3.6%減)だった。

 このほか、グローサリーストア(食品雑貨店)などの食品・生鮮飲料水は同1.4%減(同1.5%増)、スポーツ用品・趣味・楽曲・書籍は同0.8%減(同1.7%減)、百貨店やスーパーなどの量販店を含む一般小売販売は同1.2%減(同1.3%減)となり、このうち百貨店は同3.8%減(同7.6%減)だった。家具は同0.6%減(同2.1%減)。

 対照的に、アパレルは前月比2.4%増(11月は6.1%減)となり、どのカテゴリーにも入らない「その他小売」は同1.7%増(同0.1%減)、ヘルス(薬局・美容)は同1.1%増(同0.4%減)、ホームセンターなどの建築資材・園芸は自宅改修需要の高まりを受け、同0.9%増(同0.8%増)となった。

 月ごとに変動が大きい自動車・同部品は前月比1.9%増(11月は1.5%減)となり、ガソリンスタンドは同6.6%増(同1.6%減)と、ガソリン価格の上昇を反映し、大幅増となった。この結果、全体の小売売上高から月ごとに変動が激しいガソリンスタンドと自動車・同部品を除いた実質の小売売上高は同2.1%減(同1.3%減)となった。ガソリンスタンドだけを除いた小売売上高は同1.2%減(同1.3%減)。また、自動車・同部品だけを除いた小売売上高は同1.4%減(同1.3%減)と、市場予想(同0.2%減)を超えて悪化した。ガソリンと全体の約20%を占める自動車・同部品の高い伸びが全体を下支えしたことが分かる。

 ガソリンスタンドと自動車・同部品に加え、建築資材や飲食レストランを除いた、いわゆるコア小売売上高(コントロール・グループ)は前月比1.9%減と、8カ月ぶりの大幅減となった。これは20年10-12月期GDP(国内総生産)の約7割を占める個人消費を押し下げることを意味する。コア小売売上高はGDPを構成する個人消費支出の財支出に組み込まれる重要な指標となっている。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:モーニングスター社

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