<新興国eye>前週のロシアRTS指数、原油高や米追加景気対策を好感し3週続伸=BRICs市況

新興国

2021/1/18 10:02

 前週(11-15日)のロシア株式市場はRTS指数(ドル建て)の15日終値が前日比1.75%安の1474.28、前週比では0.53%高となり、3週続伸した。

 週明け11日の指数は買い優勢で始まり、14日まで8連騰した。

 週前半は、ブレント原油先物が1バレル=55.6ドルに後退したことが嫌気されたが、オンラインリテール(消費者向け個人金融)大手TCSグループの創業者オレグ・ティンコフ氏の株式持ち株分を一部放出し、流動性懸念後退を好感し、急騰。指数をサポートした。その後は原油先物価格が56.5ドル超に回復したことやルーブル高となったことを受け、買い優勢となった。

 週半ばから後半は、米週間石油統計で原油在庫(供給)が増加したのを受け、原油先物価格の上げが一服したことや、米下院がペンス副大統領にトランプ大統領の解任を促す決議案を可決したことなどが懸念材料となり、値固めの展開となったものの、その後は、海外市場が上昇したことや、TCSグループと鉄鋼大手マグニトゴルスク・アイロン&スチール・ワークス(MMK)が買われ、指数の押し上げにつながった。

 週末15日は9営業日ぶりに反落した。バイデン次期米大統領が米国民への直接現金給付の一人2000ドルへの引き上げなどを柱とする1兆9000億ドルの追加刺激策を発表したことが好感され、買いが先行したが、引けにかけて足元の相場上昇による高値警戒感からの利益確定売り優勢となった。

 今週(18-22日)のロシア市場は引き続き、新型コロナ感染再拡大や変異ウイルス、ワクチン接種などの動向、世界経済、特に米国の追加景気刺激策、米国の対ロ制裁、ロシア国内の景気対策や原油価格、ルーブル相場などが焦点となるが、利食い売りが強まる見通し。このほか、原油価格に影響を与える20日の米API(石油協会)週間石油在庫統計や22日の米EIA週間石油在庫統計も注目される。また、毒殺未遂事件後、ドイツで療養中だったロシア反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏が17日に帰国し、新たな材料となる。主な国内経済指標の発表予定はない。RTS指数は1400-1530ポイントの値動きが予想されている。

<関連銘柄>

 RTS連動<1324.T>、iSエマジン<1582.T>、iS新興国<1362.T>、

 WTI原油<1671.T>、ガス<1689.T>、原油<1690.T>、

 野村原油<1699.T>、iエネルギー<2024.T>

提供:モーニングスター社

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