<新興国eye>前週のブラジル株、中国の感染再拡大、商品相場下落で3週ぶり反落―=BRICs市況

新興国

2021/1/18 10:14

 前週(11-15日)のブラジル株式市場は15日のボベスパ指数が前日比2.54%安の12万0348.8、週間ベースでも8日終値比3.78%安となり、3週ぶりに反落した。

 週明け11日の指数は反落して始まった。前の週末、指数が過去最高値を付けたことを受け、利益確定売りが出たほか、トランプ米大統領の弾劾決議案が米下院に提出されたことや、中国で新型コロナウイルスの感染再拡大を受け、リスク選好投資が後退した。

 12日は反発。原油先物価格の上昇を受け石油大手ペトロブラスが急伸したほか、米株市場が堅調となったことや、新型コロナワクチンの早期接種期待が強まり、ブラジルの景気回復も早まるとの思惑などが買い材料となった。

 13日は反落。中国での感染急拡大で鉄鉱石や原油などのコモディティ(国際商品)相場が下落したのを受け、鉄鋼大手ウジミナス(ミナスジェライス製鉄所)とペトロブラスが売られたほか、トランプ米大統領の弾劾懸念、さらには、新型コロナワクチンの接種スケジュールの遅延懸念などが売り材料となった。

 14日は再び反発。パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が講演で、「利上げ再開はすぐには来ない」と発言し、当分の間、現在の超低金利が続くとの見方で買い安心感が広がった。また、バイデン次期米大統領が1兆9000億ドルの追加景気対策を講じるとの憶測も支援材料となった。

 週末15日は大きく反落した。20年11月小売売上高が市場予想に反し前月を下回ったことが嫌気され、売り優勢となった。特に、指数の構成ウエートが高いペトロブラスと鉱山大手ヴァーレが急落し、下げを主導した。

 今週(18-22日)の株式市場は、財政健全化問題や新型コロナ感染再拡大、変異ウイルス、ワクチン接種の動向、米国の追加景気対策、米中関係、欧米やアジアの市場動向、原油などの国際商品相場の動向、さらにはブラジル中銀の金融政策決定会合(20日)などが注目される。主な経済指標の発表予定は18日の昨年11月IBCーBr経済活動指数など。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、iSエマジン<1582.T>、上場MSエマ<1681.T>、

 iS新興国<1362.T>、上場EM債<1566.T>

提供:モーニングスター社

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