劇的な変化にもブレずに投資を継続する方法とは=鎌倉投信が新春オンラインセミナー開催
2021/1/19 9:33
鎌倉投信は1月16日、運用するファンド「結い2101」の受益者を対象とした新春セミナーをオンラインで開催した。同社が新春メッセージをセミナーの形で発信することは初めて。システム上の聴講上限にあたる500人から申し込みを受け付けた。鎌倉本社から受益者に向けて「市場に惑わされない投資」を呼び掛けた鎌倉投信代表取締役社長の鎌田恭幸氏は、「コロナ禍によって社会が劇的に変わり、その変化が加速しているように感じられ、投資家の皆様は不安になることもあるでしょうが、投資を継続していただきたい。分散投資を心がけ、自分が理解できないものには投資をしないという一貫した投資姿勢が重要です」と語りかけた。
「結い2101」は2010年3月29日に設定し、もうすぐ運用開始から11周年を迎える。現在は、国内企業60社以上に投資しているが、投資先企業や投資候補先企業と接していると、コロナ禍で企業の置かれている環境や経営が大きく変わっていることを実感するという。その中で、「危機になるほど、その危機を克服するために、様々なチャレンジを行うたくましい経営者がいる。苦境に経営者魂が燃えている。そのような経営者と接すると、危機が去った時に、その会社がどれほど業績回復の力があるのかが想像できる」(鎌田氏)とし、コロナ禍にあっても、投資先とのコミュニケーションを継続していることを示した。
また、「結い2101」の投資先の純資産と配当金額の増加額が、コロナ禍の中にあっても着実に右肩上がりで向上している実績値を示し、「株価の先行きが上がるか下がるかを予測することはできないが、投資先の企業業績の成長率が伸び続けていれば、株価も上がり、ファンドの基準価額も上昇する。株式投資のリターンは、長い時間軸でみると投資している企業の業績の成長率に収れんしていくためだ」(同)と投資を継続できる根拠の1つとした。「環境変化は起こるものなので、どのような環境下にあっても社会から必要とされ、そのために成長が実現できる企業を探している」と銘柄選択のポイントを語った。
「結い2101」の基準価額は2020年12月末で過去最高の水準に上昇しているため、本来であれば全投資家の投資収益はプラスになっているはずなのだが、20年12月末現在で投資家の収益率でプラスの人は99.72%で100%ではない。「昨年3月のような大きな下落に耐え切れずに手放した方、また、市場変化のタイミングを捉えようと売ったり買ったりしている方の中には、基準価額が最高値になっているにもかかわらず、トータルリターンがマイナスの方がいる。一貫性を持って継続保有している方は成功している」と、実際の投資家の運用成績を引き合いに、継続投資の重要性を訴えていた。
そして、市場の変化に惑わされることなく投資を継続するポイントとして、(1)投資の目的を持つこと、(2)自分の投資軸(モノサシ)を持つこと――をあげ、この2つが、「車の両輪のように大事」と語っていた。たとえば、ある投資家は、「子どもが生まれた時に『結い2101』の積立投資を開始して、生まれた子どもが20歳になるまで投資を継続し、その資産を子どもが20歳になった時に引き継いであげるつもりだ」と語っていたという例を出した。「子どもが20歳になる時に引き継ぐという明確な目的を持ち、また、『結い2101』がめざしている“共生の社会”が、子どもが巣立っていく将来の社会になれば良いと共鳴できるから『結い2101』を選んでくださった」という、投資を継続する2つのポイントが揃った例として紹介していた。
最後に、投資家からの質問に答える中で、現在の株高に高値警戒感はないのかという質問に対し、鎌田氏は個人的な見解として、「世界的な金融緩和が株高を支えているという側面は確かにあり、これがリスクだとすると、もう一方で、プラス方向の変化への期待もあり、この両者が綱引きをしている状況だと感じている。日本の株価は30年ぶりの高値に上昇しているが、バブル期にあったような熱狂感は感じられないので、それが株高の持続性につながっているように思う」と語っていた。そして、「結い2101」は、「資本形成×社会形成×豊かなこころ」という投資スタンスを堅持し、「2021年を『挑戦の年』と位置付けて、引き続きしっかりした運用の結果を届けたい」とした。
提供:モーニングスター社
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