日経平均は110円安と反落、売り一巡後に下げ渋る、日銀ETF買い期待支えも戻り限定=20日後場

 20日後場の日経平均株価は前日比110円20銭安の2万8523円26銭と反落。朝方は、買いが先行していた。イエレン次期財務長官が19日の米議会公聴会で追加経済対策について積極姿勢を示し、同日の米国株式が上昇した流れを受け、寄り付き直後に2万8801円19銭(前日比167円73銭高)まで値を上げる場面があった。ただ、イエレン氏の発言内容はきのう事前に伝わり、先行して織り込んでいた面もあり、その後は株価指数先物にまとまった売り物が出て下げ転換。利益確定売りが優勢となり、後場入り後には一時2万8402円11銭(同231円35銭安)まで下押した。一巡後は、日銀のETF(上場投資信託)買い期待を支えに下げ渋ったが、戻りは限定された。

 東証1部の出来高は11億5000万株、売買代金は2兆3810億円。騰落銘柄数は値上がり1100銘柄、値下がり993銘柄、変わらず95銘柄。

 市場からは「イエレン氏の公聴会発言は材料出尽くしで、米大統領就任式(20日)や、日銀金融政策決定会合、ECB(欧州中央銀行)理事会の結果発表(21日)を控え、様子見気分のなか、日銀のETF買いが支えている感じだ。ただ、イベント通過後は市場の関心が決算に向かい、個別株物色になってくる」(準大手証券)との声が聞かれた。

 業種別では、ANA<9202.T>、JAL<9201.T>などの空運株や、郵船<9101.T>、商船三井<9104.T>、川崎汽<9107.T>などの海運株が安く、京急<9006.T>、京王<9008.T>などの陸運株も軟調。野村<8604.T>、大和証G<8601.T>などの証券商品先物株や、三菱UFJ<8306.T>、三井住友<8316.T>、みずほ<8411.T>などの銀行株も売られた。第一三共<4568.T>、中外薬<4519.T>などの医薬品株や、MS&AD<8725.T>、東京海上<8766.T>、SOMPOH<8630.T>などの保険株も値を下げた。

 半面、東レ<3402.T>、帝人<3401.T>などの繊維製品株が上昇。国際帝石<1605.T>、石油資源<1662.T>などの鉱業株や、ENEOS<5020.T>、コスモエネH<5021.T>などの石油石炭製品株も堅調。TOYO<5105.T>、浜ゴム<5101.T>、住友ゴム<5110.T>などのゴム製品株や、AGC<5201.T>、板硝子<5202.T>などのガラス土石株も高い。

 個別では、ツツミ<7937.T>、スクロール<8005.T>、日本光電<6849.T>、ライトオン<7445.T>、Gunosy<6047.T>などの下げが目立った。半面、Sサイエンス<5721.T>、日総工産<6569.T>、ヒトコムHD<4433.T>、住友化<4005.T>、ツクイHD<2398.T>などの上げが目立った。なお、東証業種別株価指数は全33業種中、20業種が下落した。

(写真:123RF)

提供:モーニングスター社

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