<特集>脱炭素関連をマーク(2)=日精線―水素化社会への貢献に期待
2021/1/22 17:42
日本精線<5659.T>を狙ってみたい。ステンレス鋼線2次加工の国内トップメーカーだが、独自技術で水素関連製品を展開。業績は堅調であり、PER14倍台、PBR(株価純資産倍率)0.7倍台の株価には割安感が漂う。
同社が対象とする分野は、自動車、航空機、OA機器、電気製品、医療機器、建材のほか、炭素繊維製造用フィルター、スクリーン印刷用ステンレス極細線など多彩で、特殊ガスフィルターの「ナスクリーン」は半導体・液晶製造設備向けに圧倒的な国内シェアをもつ。
21年3月期上期(20年4-9月)は、連結売上高153億9100万円(前年同期比10.5%減)、営業利益8億96000万円(同17.9%増)。「ステンレス鋼線」はコロナ禍の影響により売上高が125億9100万円(同14.0%減)にとどまったが、好採算の「ナスクリーン」の貢献で「金属繊維」が売上高を27億9900万円(同9.0%増)に伸ばして全体をけん引。連結売上高は2ケタ減収だったが、2ケタの増益を達成した。
水素関連では、99.9999999%(9N)以上の精製純度を実現した「水素分離膜モジュール」、有機ハイドライトから水素を取り出すための「加熱用ワイヤ」、水素に触れても品質が劣化しにくい「高強度加工用ステンレス材料」などを展開。現状、規模は小さいが、水素化社会の実現に欠かせない有望製品であり、将来の業績のけん引役と期待されよう。
提供:モーニングスター社
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