日経平均は89円高と反発、下げ転換後に持ち直す、値上がり銘柄数1300近い=27日後場

 27日後場の日経平均株価は前日比89円03銭高の2万8635円21銭と反発。朝方は、買いが先行した。IMF(国際通貨基金)が26日に世界経済見通しを改定し、日本の21年の成長率を上方修正したことで投資家心理が改善した。きのう大幅反落した反動もあり、一時2万8754円99銭(前日比208円81銭高)まで上昇する場面があった。一巡後は、利益確定売りに押され、いったん下げに転じたが、すかさずプラス圏に戻し、大引け近くに向けて持ち直しの流れとなった。現地27日のFOMC(米連邦公開市場委員会)結果や、その後のパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の記者会見を見極めたいとの空気もあったが、後場は総じて底堅い動きとなった。

 東証1部の出来高は11億5958万株、売買代金は2兆6188億円。騰落銘柄数は値上がり1291銘柄、値下がり814銘柄、変わらず85銘柄。

 市場からは「日経平均は2万9000円を前に一進一退となっている。指数よりも決算にらみで個別株物色が中心だ。FOMCは無難に通過するとみられ、方向性を変えるような材料にはならないだろう」(準大手証券)との声が聞かれた。

 業種別では、三井不<8801.T>、三菱地所<8802.T>、住友不<8830.T>などの不動産株が堅調。シャープ<6753.T>、パナソニック<6752.T>、ファナック<6954.T>などの電機株も買われた。ヤクルト<2267.T>、日清食HD<2897.T>などの食料品株や、アシックス<7936.T>、バンナムHD<7832.T>などのその他製品株も高い。コマツ<6301.T>、ダイキン<6367.T>などの機械株や、鹿島<1812.T>、日揮HD<1963.T>などの建設株も値を上げた。レンゴー<3941.T>、王子HD<3861.T>などのパルプ紙株も引き締まった。

 半面、商船三井<9104.T>、川崎汽<9107.T>、郵船<9101.T>などの海運株や、日本製鉄<5401.T>、JFE<5411.T>などの鉄鋼株が軟調。JAL<9201.T>、ANA<9202.T>などの空運株も安い。HOYA<7741.T>、オリンパス<7733.T>などの精密株もさえず、関西電力<9503.T>、東ガス<9531.T>などの電気ガス株も売られた。

 個別では、日本アジアG<3751.T>(監理)がストップ高となり、サーバーW<4434.T>、リョーサン<8140.T>、JCRファーマ<4552.T>、東京綱<5981.T>などの上げも目立った。半面、ポピンズHD<7358.T>、サンケン<6707.T>、ダイヤHD<6699.T>、エムスリー<2413.T>、ips<4390.T>などの下げが目立った。なお、東証業種別株価指数は全33業種中、23業種が上昇した。

(写真:123RF)

提供:モーニングスター社

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