米20年12月S&PコアロジックCS住宅価格指数、前年比10.4%上昇―2ケタ成長は約7年ぶり
2021/2/24 9:45
<チェックポイント>
●20都市圏、前年比10.1%上昇に加速―市場予想上回る
●フェニックスとシアトル、サンディエゴの上昇傾向続く
●10都市圏、前年比9.8%上昇に加速
米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が23日発表した米20年12月S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数(季節調整前)は、一戸建て中古住宅の価格動向を示す総合指数である全米住宅価格指数が前月比0.9%上昇の234.4と、11月の同1.1%上昇をやや下回ったが、季節要因を無視できる前年比は10.4%上昇と、11月の同9.5%上昇を上回った。2ケタの伸びとなったのは14年1月以来約7年ぶり。
S&P500指数を運営している米S&Pダウジョーンズ・インデックスのマネージング・ディレクター兼指数管理担当責任者であるクレイグ・ラザラ氏は、「12月の強い結果は、新型コロナのパンデミック(感染症の世界的大流行)を受け、住宅取得者が都心のアパートから郊外の一戸建てへの住宅購入にシフトさせたため」とし、今後も価格の上昇勢いが続くとの見方を示した。ただ、「住宅価格の伸びが先取りする格好で急ピッチで加速していることから、今後数カ月の価格動向を注視する必要がある」と指摘している。
市場の関心が高い主要20都市圏の価格指数(季節調整前)は前月比0.8%上昇の240.75と、11月の1.1%上昇を下回ったが、前年比は10.1%上昇と、11月の9.2%上昇を上回り、14年5月以来6年7カ月ぶりの高い伸びとなった。また、市場予想の9.8%上昇を上回った。
都市別では、集計が可能となった19都市のうち、11月と同様、西部と南東部が顕著な伸びとなった。フェニックスは前年比14.4%上昇と、最も高い伸びを示し、19カ月連続でトップ。次いで、シアトルが同13.6%上昇、サンディエゴも同13%上昇、クリーブランドは同11.5%上昇、ボストンは同11.4%上昇、タンパは同10.7%上昇、シャーロットとミネアポリスはいずれも同10.2%上昇、ポートランドは同9.9%上昇となった。
北東部の大都市圏ではニューヨークが同9.9%上昇と、前月から伸びが加速した。このほか、シカゴは同7.7%上昇、ダラスは同8.4%上昇と、全国平均(10.4%上昇)を下回った。今回の統計でも20都市中、デトロイトだけがパンデミックの影響で調査できなかった。
主要10都市圏の価格指数(季節調整前)は前月比0.9%上昇の254.18と、11月の同1.2%上昇を下回り、2カ月連続で伸びが減速。一方、前年比は9.8%上昇と、11月の8.9%上昇を上回った。価格指数は金融危機前の06年6月のピーク(226.29)を22カ月連続で上回っている。
<関連銘柄>
NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、
SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、
NYダウベア<2041.T>
提供:モーニングスター社
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