RBA、政策金利と量的金融緩和政策を据え置き―市場予想通り
2021/3/2 15:25
<チェックポイント>
●3年国債利回り目標を0.10%に据え置き
●「インフレ率が2-3%になるまで24年まで利上げせず」の方針を据え置き
●「21年半ばまでにGDPは新型コロナ感染前の19年末水準に戻る」と指摘
豪準備銀行(RBA)は2日の理事会で、新型コロナの感染再拡大が抑制され、景気回復の兆しが強まっているものの、景気下ブレリスクが残るとして、引き続き景気を支援するため、政策金利であるオフィシャルキャッシュレート(OCR、銀行間取引で使われる翌日物貸出金利)の誘導目標を過去最低水準の0.10%に据え置いた。市場予想通りだった。
RBAは20年11月会合で、新型コロナのパンデミック(感染症の世界的大流行)の悪影響が現れ始めた3月以来、8カ月ぶりに利下げを決めたが、20年12月会合で据え置きに転換。これで据え置きは3会合連続となる。
また、前回2月会合で、今後6カ月間、流通市場で残存期間5-10年の国債と地方債を8対2の比率で、計1000億豪ドル買い入れるQE(量的金融緩和)プログラムの規模を期限切れとなる21年4月中旬以降も継続し、さらに1000億豪ドル増額することを決めたが、今回の会合でもこれらの方針を継続することを決めた。
RBAは会合後に発表した声明文で、「これまでに最初の1000億豪ドルの買い入れ枠を使って、政府が起債した計740億豪ドルの国債を買い入れた」とした上で、「今後、(2月会合で)増額を決めた1000億豪ドルの買い入れ枠が4月中旬以降に使われ、必要があれば、さらに増額する用意がある」とQE政策拡大の可能性を示唆。また、国債買い入れペースについて、前回会合時と同様、「今後、週50億豪ドル(月200億豪ドル)のペースで買い入れる」としている。
豪州経済の見通しについては、「景気回復が順調に進んでおり、想定していたよりも強い回復となっている。雇用が拡大し、失業率は6.4%(20年7月のピーク時点で7.5%)に低下。小売売上高も堅調で、債務返済が遅れていた家計や企業も債務返済を積極的に行っている」と指摘したが、その一方で、「豪州経済は今後、しばらくの間、経済全体の過剰気味な生産能力の状態が続く」と、前回会合時と同様、慎重な見方を据え置いた。
その上で、前回の会合で下方修正した21年と22年の成長率の見通し(いずれも3.5%増)を据え置いたものの、「GDPは21年半ばまでに19年末時点の水準に戻る」としている。
失業率の見通しについては、「21年末時点で約6%、22年末時点で5.5%になる」とし、前回会合時の予想を据え置いた。
金融状況については、「高水準の金融緩和が続いている。借り入れコストが過去最低水準にあり、資産価値も住宅価格の上昇で増加している」としたが、「(住宅価格の上昇や低金利により)家計の信用(与信)の伸びは上昇している一方で、企業や投資家の信用の伸びは依然として弱い」と懸念を示した。
また、20年11月会合では利下げと同時に、3年国債の利回り達成目標も0.25%近辺から0.15ポイント引き下げて0.10%近辺としたが、今回の会合ではこれも据え置いた。
今後の金融政策の見通しについては、前回会合時と同様に、「インフレが持続的に2-3%の目標範囲内に収まると確信するまで、政策金利を引き上げない」とのフォワードガイダンス(金融政策指針)を維持。さらに、「インフレ率が物価目標に収まるには賃金がかなり上昇する必要があり、そのためには雇用が大幅に拡大し、タイトな雇用市場に戻る必要がある。われわれは少なくとも24年まで政策金利が引き上げられる状況にはならないと見ている」と最低3年間、金融緩和スタンスを維持する方針も据え置いた。
2月末、米国でインフレが加速するとの観測から長期債利回りが急伸したことについて、RBAは「豪州の国債市場でも同様な動きがあった。利回りの世界的な変動は他の資産価格を乱高下させている。豪ドルレートは、ここ数年間の相場変動のレンジ上限での推移が続いている」と、懸念を示した。RBAは3月1日、国債利回りの急伸を抑制するため、流通市場で40億豪ドルの長期国債の買い入れ介入を実施した。これは2月末の30億豪ドルの短期国債を買い入れ介入に続くものだ。
次回会合は4月6日に開かれる予定。
提供:モーニングスター社
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