<中原圭介の相場観>上昇一服、当面はレンジ相場入りか

コラム

2021/3/3 8:03

 NYダウ平均株価の下落幅が2月25~26日の2日間で1000ドルを超えた。大幅下落のきっかけは、米長期金利が25日に一時1.61%まで上昇し、約1年ぶりの高水準になったことだ。

命運を握る米長期金利

 もともと多くの市場関係者が今年の米国株の最大のリスク要因として挙げていたのは、景気回復に伴う「米長期金利の上昇」だった。米S&P500の平均配当利回りが1.5%ということもあり、米長期金利が1.5%を超えるとそのリスクが高まるといわれていた。

 米長期金利は26日に1.4%台に低下、現時点で同水準を維持しているが、投資家の警戒感が和らいでいるわけではない。3月5日には2月の米雇用統計の発表が控える。市場予想を上回る好結果が出るようならば、景気回復への期待が高まり、長期金利に上昇圧力が掛かりかねない。

 翻って、日本株の最大のリスク要因に挙げられていたのは、「米国の株式相場の急落」だった。要するに、日本株の命運は米長期金利が握っているといっても過言ではない。日経平均株価は週明けの3月1日に700円近く上昇したが、2日は255円安と反落した。今後も米国の長期金利や株価に振り回される展開が続くだろう。

一時的な需給悪化懸念

 また、日銀が今の株価が高い水準での指数連動型ETF(上場投資信託)の購入を減らしていることは、以前と変わって上値を追いにくい環境を醸成しつつある。

 その上、今年の3月は政策保有株の持ち合い解消売りが例年と比べて増えそうだ。プライム市場に採用されるためには、流通株式の時価総額100億円以上、比率35%以上が要件となるからだ。該当する大型株・中型株には一時的な需給悪化の懸念がある。

 よって、日経平均は当面、2万8000~3万1000円のレンジ相場を想定して臨みたいところだ。

(アセットベストパートナーズ 中原圭介)

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