<新興国eye>トルコ2月CPI、前年比15.61%上昇に加速

新興国

2021/3/4 10:58

 トルコ統計局が3日発表した2月CPI(消費者物価指数、03年=100)は、前年比15.61%上昇と、1月の14.97%上昇を上回り、4カ月連続で伸びが加速した。CPIが15%台となったのは19年8月以来1年6カ月ぶり。市場予想の15.45%上昇に対しても上回った。新型コロナウイルスのパンデミック(感染症の世界的大流行)がいったん一服し、経済活動が再開され、景気回復が進んだことが主因。

 同国のCPI伸び率は18年10月に前年比25.24%上昇と、25%を突破したが、それ以降は政府のインフレ対策や中銀による大幅な金融引き締め政策により低下し始め、19年10月には8.55%上昇と、16年12月(8.53%上昇)以来2年10カ月ぶりの低水準となった。しかし、パンデミックの悪影響が強まった20年の5月はサプライチェーン(部品供給網)の寸断により、11.39%上昇と、3カ月ぶりに加速に転じ、6月(12.62%上昇)まで2カ月連続で加速。その後、パンデミックが一服し、サプライチェーンが回復したことを受け、7月は11.76%上昇と、3カ月ぶりに伸びが鈍化し、8-10月もほぼ同じ伸びだったが、11月から伸びが加速している。

 全体指数から値動きの激しい食品やエネルギーなどを除いたコアCPI(グループC)は前年比16.21%上昇と、1月の15.50%上昇を上回り、伸びが急加速した。

 政府が20年9月29日に発表した21-23年の新中期3カ年経済計画では、インフレ率の見通しは21年末時点が8%上昇、22年末時点は6%上昇、23年末時点は4.9%上昇と予想している。

 他方、トルコ中銀が1月28日に発表した最新の四半期インフレ報告書では、21年末時点のインフレ率は9.4%上昇(予想レンジは7.3-11.5%上昇)と、20年12月の14.6%上昇よりも伸びが大きく減速し、23年末時点で物価目標の5%上昇に収束すると予想している。

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 iS新興国<1362.T>、上場MSエマ<1681.T>

提供:モーニングスター社

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