<新興国eye>前週のブラジル株、新型コロナ関連の追加緊急支援期待で4週ぶり反発=BRICs市況

新興国

2021/3/8 11:30

 前週(1-5日)のブラジル株式市場は5日のボベスパ指数が前日比2.23%高の11万5202.2、週間ベースでも2月26日終値比4.70%高となり、4週ぶりに反発した。

 週明け1日の指数は反発して始まり、2日も値を上げ、続伸。

 週前半は、前の週の大幅な相場下落を受け、買い戻し機運が強まった。また、バイデン米大統領の1兆9000億ドルの追加景気刺激策が米下院を通過したことや、コロナ禍の給与支援措置など追加緊急支援を可能にするため、ブラジル議会が財政支出の伸びを今後20年間インフレ率以下に抑制し、債務不履行の事態を回避する憲法補足法案(PEC)の改正に動き出したことも支援材料となった。その後は金融機関への増税措置が一時的なものになるとの観測で銀行株が買い戻され、指数の上げを主導した。

 3日は3日ぶりに反落した。米長期金利上昇への警戒感から米株安となり、ブラジル市場にも売りが広がった。また、ブラジルの20年GDP(国内総生産)が前年比4.1%減に落ち込んだことへの失望売りや、国営石油大手ペトロブラスのブランコ総裁の解任に続いて、4人の役員もボルソナロ大統領の政治介入で解任されたことを嫌気する売りも出た。

 4日は反発し、週末5日も値を上げ、続伸した。

 4日は、ブラジル上院がPEC改正法案を第2読会で可決し、同法案が下院に送付されたことが好感され、買い優勢。5日は、リオデジャネイロ市やサンパウロ州で新型コロナ感染拡大阻止の規制が再導入され、追加緊急支援への期待感との間で売り買いが交錯する展開となったが、ペトロブラスと金融大手ブラデスコが堅調となり、指数の上げを主導した。

 今週(8-12日)の株式市場は、新型コロナ感染拡大やワクチン接種の動向に加え、新型コロナ関連の政府の追加緊急支援や財政健全化問題、ペトロブラス問題、米国の景気・インフレ動向、米中関係、欧米やアジアの市場動向、原油などの国際商品相場の動向などが注目される。主な経済指標の発表予定は8日の2月ジェトゥリオ・バルガス財団(FGV)IGP-DIインフレ指数(全国卸売物価指数)や11日の2月IPCA(拡大消費者物価指数)、12日の1月小売売上高など。

<関連銘柄>

ボベスパ<1325.T>、iSエマジン<1582.T>、上場MSエマ<1681.T>、iS新興国<1362.T>、上場EM債<1566.T>

提供:モーニングスター社

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