日経平均は207円高と3連騰、買い一巡後に上げ幅縮小、米ファンド債務不履行報道が重しに=29日後場

 29日後場の日経平均株価は前週末比207円82銭高の2万9384円52銭と3連騰。朝方は、前週末の米国株高を受け、寄り付き直後に2万9500円台に乗せた。その後、時間外取引での米株価指数先物安もあって、いったん伸び悩んだが、次第に盛り返した。3月期末配当取りの動きや、大引けにかけての配当再投資目的の先物買い観測が支えとなり、後場の早い段階には2万9578円37銭(前週末比401円67銭高)まで上昇した。買い一巡後は、株価指数先物にまとまった売り物が出たこともあり、後場終盤には2万9200円88銭(同24円18銭高)まで上げ幅を縮小した。スイス金融大手クレディ・スイス・グループは29日、同社をはじめとする一部金融機関が実施した米ヘッジファンドへのマージンコール(追加担保の差し入れ要求)が債務不履行(デフォルト)になったと発表したと報じられ、短期筋の売りにつながった。その後、持ち直したが、戻りは限定された。

 東証1部の出来高は18億2632万株、売買代金は3兆7153億円。騰落銘柄数は値上がり1225銘柄、値下がり900銘柄、変わらず68銘柄。

 業種別では、イオン<8267.T>、ファーストリテ<9983.T>、ニトリHD<9843.T>などの小売株が堅調。ブリヂス<5108.T>、住友ゴム<5110.T>などのゴム製品株も引き締まった。ダイキン<6367.T>、コマツ<6301.T>などの機械株や、花王<4452.T>、信越化<4063.T>などの化学株も高い。東エレク<8035.T>、アドバンテスト<6857.T>、キヤノン<7751.T>などの電機株も買われた。楽天<4755.T>、サイバー<4751.T>、OLC<4661.T>などのサービス株も上昇。日本製鉄<5401.T>、神戸鋼<5406.T>などの鉄鋼株や、伊藤忠<8001.T>、住友商<8053.T>などの卸売株も値を上げた。

 半面、野村<8604.T>、マネックスG<8698.T>などの証券商品先物株が下落。郵船<9101.T>、商船三井<9104.T>、川崎汽<9107.T>などの海運株や、JAL<9201.T>、ANA<9202.T>などの空運株も軟調。JPX<8697.T>、クレセゾン<8253.T>などのその他金融株や、三菱UFJ<8306.T>、三井住友<8316.T>などの銀行株も安い。

 個別では、ランド<8918.T>、山田コンサル<4792.T>、ビーネックス<2154.T>、藤コンポ<5121.T>、クロスマーケ<3675.T>などの上げが目立った。半面、モバファク<3912.T>、ジンズメイト<7448.T>、アイロムG<2372.T>、TBASE<3415.T>などの下げが目立った。なお、東証業種別株価指数は全33業種中、20業種が上昇した。

(写真:123RF)

提供:モーニングスター社

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