<新興国eye>トルコ3月CPI、前年比16.19%上昇に加速

新興国

2021/4/7 10:34

 トルコ統計局が5日発表した3月CPI(消費者物価指数、03年=100)は、前年比16.19%上昇と、19年半ば以来の高い伸びとなり、5カ月連続で伸びが加速。市場予想の16.11%上昇を上回った。新型コロナウイルスのパンデミック(感染症の世界的大流行)がピークを過ぎ、経済活動が再開され、景気回復が進んだことが主因。

 同国のCPI伸び率は18年10月に前年比25.24%上昇と、25%を突破したが、それ以降は政府のインフレ対策や中銀による大幅な金融引き締め政策により低下し始め、19年10月には8.55%上昇と、16年12月(8.53%上昇)以来2年10カ月ぶりの低い伸びとなった。しかし、パンデミックの悪影響が強まった20年の5月はサプライチェーン(部品供給網)の寸断により、11.39%上昇と3カ月ぶりに加速に転じ、6月(12.62%上昇)まで2カ月連続で加速。その後、パンデミックが一服してサプライチェーンが回復したことを受け、7月は11.76%上昇と3カ月ぶりに伸びが鈍化。8-10月もほぼ横ばいだったが、11月から伸びが加速している。

 全体指数から値動きの激しい食品やエネルギーなどを除いたコアCPI(グループC)は前年比16.88%上昇と、2月の16.21%上昇や1月の15.5%上昇、20年12月の14.31%上昇、同11月の13.26%上昇、同10月の11.48%上昇を上回り、伸びが急加速している。

 政府が20年9月29日に発表した21-23年の新中期3カ年経済計画では、インフレ率の見通しは21年末時点が8%上昇、22年末時点は6%上昇、23年末時点は4.9%上昇を予想している。

 他方、トルコ中銀が1月28日に発表した最新の四半期インフレ報告書では、21年末時点のインフレ率は9.4%上昇(予想レンジは7.3-11.5%上昇)と、20年12月の14.6%上昇よりも伸びが大きく減速し、23年末時点で物価目標の5%上昇に収束すると予想している。

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 上場MSエマ<1681.T>

提供:モーニングスター社

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