来週の東京外国為替市場見通し=米長期金利動向を見定めながらの相場展開続く
予想レンジ:1ドル=108円00銭-111円00銭
5-8日のドル・円は下落した。週初5日は、前週発表された米3月雇用統計や5日発表の米3月ISM(米サプライマネジメント協会)非製造業景況指数が好調だったことから、安全通貨とされるドルが売られた。6日、FRB(米連邦準備制度理事会)による早期利上げは時期尚早との見方が改めて広がり、米長期金利が低下しドル・円は下押し。7日、3月開催分のFOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨で、資産購入額縮小の条件を満たすには時間を要するのと記載があったものの、市場の想定通りでドル・円の反応は限られた。8日、パウエルFRB議長のハト派的な発言や、米国の新規失業保険申請件数が市場予想に反し増加したことから米長期金利が低下し、ドル・円を押し下げた。
このところ上昇が続いた米長期金利に一服感が出ている。バイデン米大統領は大型インフラ計画とともに財源を賄うべく法人税増税も併せて発表しており、米国債増発の懸念が後退。また、パウエルFRB議長は8日、IMF(国際通貨基金)春季会合のオンライン討論会で資産購入縮小に改めて慎重な見方を示し、米国の金融緩和の長期化加速が再度強まり、足元の米長期金利およびドル・円の上値を抑える。
もっとも、バイデン米政権が打ち出す財政出動による米国債増発や景気浮揚への思惑は根強く、新型コロナワクチン普及による米経済の正常化期待も広がる中、このままドル売りが加速するとは考えにくい。経済指標や、これから本格化する米企業決算を見極めながらの相場展開が続こう。経済指標では米3月財政収支、米3月CPI(消費者物価指数)、米3月小売売上高、米4月ニューヨーク連銀製造業景況指数、米3月住宅着工件数などが発表予定で、米長期金利の反応と併せて確認したい。その他、10年債などの米国債入札も注視する必要がある。
ドル・円はチャート上で、3月23日に付けた1ドル=108.40円を下抜ければ108円台を維持できるかが焦点。一方、上方向では直近高値110.95円(3月31日)が意識される。
提供:モーニングスター社
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