米3月コアCPI、前月比0.3%上昇―2カ月連続で伸び加速

経済

2021/4/14 11:18

<チェックポイント>

●車保険・修理、航空料金、ホテル、中古車が大幅上昇

●前年比1.6%上昇―市場予想上回るもFRB物価目標には届かず

●全体指数は前月比0.6%上昇―市場予想上回る

 米労働省が13日発表した3月CPI(消費者物価指数)は、FRB(米連邦準備制度理事会)が重視しているコアCPI(価格変動が激しいエネルギーと食品を除いたもの)は前月比0.3%上昇と、2月の同0.1%上昇を上回り、2カ月連続で伸びが加速。市場予想の同0.2%上昇も上回った。新型コロナの新規感染者数の減少傾向やワクチン接種の進展を反映し、多くの州で経済・社会活動への規制が緩和したことや、一時帰休となっていた労働者の職場復帰も継続し、雇用回復の勢いが強まったことが物価上昇につながった。

 一方、前年比は1.6%上昇と、20年9月(1.7%上昇)以来、6カ月ぶりの高い伸びとなったものの、12カ月連続でFRBの物価目標(2%上昇)を下回っている。

 コア指数の前月比の内訳は、ワクチン接種の進行で旅客需要が回復してきた航空各社の航空運賃が0.4%上昇と、2月の5.1%低下から4カ月ぶりに上昇に転じた。ホテル宿泊料も4.4%上昇と、2月の2.7%低下から3カ月ぶりに上昇し、91年以来30年ぶりの高い伸びとなった。中古車(乗用車とトラック)も0.5%上昇と、2月の0.9%低下から3カ月ぶりに上昇した。

 運輸サービスが全体で1.8%上昇と高い伸びを示した。なかでも乗用車・トラックのレンタカー料金は11.7%上昇と、2月の7.4%上昇に続いて、2カ月連続の高い伸びとなったほか、自動車保険も3.3%上昇、自動車修理も1.0%上昇と、2月の0.3%上昇から大幅に加速した。また、メディカルケアサービス(処方箋代や病院治療費)は0.1%上昇(2月は0.5%上昇)となったが、そのうち、病院の治療費は0.6%上昇(同0.1%低下)と、大きく伸びた。

 これとは対照的に、アパレルは0.3%低下と、2月の0.7%低下に続いて2カ月連続で低下した。

 CPI全体指数(季節調整後)は原油価格の上昇や消費拡大、旅行需要の回復などでエネルギーが大幅に上昇し、前月比0.6%上昇と、4カ月連続で伸びが加速し、市場予想の0.5%上昇を上回った。

 エネルギーのうち、前月比でガソリンは9.1%上昇と、2月の6.4%上昇に続いて4カ月連続の高い伸びとなった。重油は3.2%上昇と、6カ月ぶりに伸びが鈍化した。2月は大寒波の影響で9.9%上昇と大幅な伸びとなっていた。この結果、エネルギー全体では5.0%上昇と、5カ月連続で伸びが加速し、17年9月以来の高い伸びとなった。

 食品は0.1%上昇と、2月の0.2%上昇から伸びが減速した。食品のうち、レストランなどで提供された外食価格は0.1%上昇と、2月の0.1%上昇と変わらなかった。一方、自宅調理用の食品も0.1%上昇となったが、2月の0.3%上昇から伸びは減速した。

 CPI全体指数の前年比もベース効果で2.6%上昇と、2月の1.7%上昇を上回り、18年8月以来2年7カ月ぶりの高い伸びとなった。これはパンデミック直後のインフレ率(20年の3月は前年比1.5%上昇、4月は同0.3%上昇、5月は同0.1%上昇)が低かったことから高めの数値が出る、いわゆるベース効果だ。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:モーニングスター社

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