<新興国eye>前週のロシアRTS指数、原油高やウクライナの緊張緩和で大幅反発=BRICs市況

新興国

2021/4/19 9:56

 前週(12-16日)のロシア株式市場はRTS指数(ドル建て)の16日終値が前日比1.51%高の1497.05、前週比でも9日終値比5.59%高となり、大きく反発した。

 週明け12日の指数は反発して始まり、14日まで3連騰した。

 週前半は、ウクライナ東部の緊張緩和で原油先物価格が上昇したことが好感されたほか、金属大手ノリリスク・ニッケルが洪水被害を受けたオクチャブリスキー鉱山の操業再開を受けて買われたことが、指数を押し上げた。また、バイデン米大統領とロシアのプーチン大統領による電話会談が行われ、一時的に対ロ制裁懸念が後退したことも、買い安心感につながった。

 週半ばも、ウクライナ東部の緊張緩和や原油高、米ロ対話が支援材料となったほか、IEA(国際エネルギー機関)の石油需要見通しの上方修正や米週間石油統計を受け、原油先物価格が1バレル=66ドルに急伸したことが買い材料となった。

 15日は反落。ロシアが20年の米大統領選挙に影響力を行使したとして、米国側がロシアの32企業・個人への制裁措置を発表したことが嫌気された。

 週末16日は反発した。原油先物価格が67ドルに上昇したことや、露石炭大手ラスパドスカヤが親会社のロシア鉄鋼大手エブラズの石炭事業部門の分社化で恩恵を受けるとの見方から買われ、指数の上げを主導した。

 今週(19-23日)のロシア市場は引き続き、新型コロナ感染や変異ウイルス、ワクチン接種などの動向、世界経済、特に米国の景気対策や長期金利の動向、対ロ制裁、ロシア国内の景気対策や原油価格、ルーブル相場、主要企業ニュース、反体制派指導者ナワリヌイ氏の動向、さらにはプーチン大統領の議会演説(21日)とロシア中銀金融政策決定会合(23日)が焦点となる。このほか、原油価格に影響を与える20日の米API(石油協会)週間石油在庫統計や21日の米EIA週間石油在庫統計も注目される。主な国内経済指標の発表予定は20日の3月失業率と3月小売売上高など。指数は1450-1600ポイントの値動きが予想される。

<関連銘柄>

 RTS連動<1324.T>、iSエマジン<1582.T>、iS新興国<1362.T>、

 WTI原油<1671.T>、ガス<1689.T>、原油<1690.T>、

 野村原油<1699.T>、iエネルギー<2024.T>

提供:モーニングスター社

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