米3月新築住宅販売件数、前月比20.7%増の102.1万戸―市場予想大幅に上回る

経済

2021/4/26 9:12

<チェックポイント>

●大寒波等の影響で落ち込んだ2月販売件数の反動で急回復

●西部除く全地区で大幅増加―主力の南部は前月比40%増

●住宅価格(中央値)は前月比4.4%低下

 米商務省が23日発表した3月新築住宅販売件数(季節調整済み)は前月比20.7%増の年率換算102万1000戸と、2月の同16.2%減(改定前は18.2%減)から急回復し、06年8月(103万5000戸)以来、14年7カ月ぶりの高水準となった。また、市場予想の88万8000-91万2000戸も大幅に上回った。季節要因を無視できる前年比は66.8%増と、2月の18.2%増(改定前は8.2%増)を大幅に上回り、11カ月連続で前年水準を上回った。

 3月統計が急反発したことについて、市場では2月の中古住宅販売件数が30年超ぶりの大寒波や停電事故(テキサス州)の悪影響を受けて急減した反動増のほか、住宅価格が低下し、手ごろな価格の物件が増えたためと見ている。

 販売件数の内訳を見ると、着工前時点での販売件数、つまり、バックログ(建築許可が下りたあと、未着工となっている件数)は前月比27.1%増の34万2000戸と、大寒波の影響で住宅建築ペースが鈍化した2月の同12.4%減から急回復した。一方、建築中の新築住宅の販売件数も同16.4%増の41万1000戸と、2月の同17.5%減から急回復した。

 地域別の販売件数は、全体の約6割を占め、販売件数が最も多い南部が前月比40.2%増(前年比90.1%増)の69万4000戸と急増。対照的に全体の約2割を占め、南部に続いて販売件数が多い西部は同30%減(同2%減)の14万7000戸となった。このほか、中西部は同30.7%増(同78.4%増)の13万2000戸、北東部も同20%増(同108.7%増)の4万8000戸と急増した。

 一方、3月の住宅価格は中央値(季節調整前)が前月比4.4%低下の33万800ドルと、2月の同4.5%低下に続き、3カ月連続で低下し、前年比も0.8%上昇と、伸びが鈍化した。

 販売価格帯をみると、40万ドル以上の高額物件の販売比率が33%と、2月の36%を下回った一方で、15万ドルから40万ドル未満の手ごろ物件の比率は2月の64%から67%(1年前は68%)に上昇し、低額物件にシフトした。

 住宅供給(在庫)をみると、3月の新築住宅在庫(着工前や建築中の住宅も含む。季節調整値)は前月比横ばい(前年比7%減)の30万7000戸と、5カ月連続で増勢を維持し、20年4月(32万3000戸)以来11カ月ぶりの高水準となった。これを3月の販売ペースで計算した新築住宅の在庫水準は3.6カ月相当と、2月の4.4カ月分を下回り、20年10月(3.5カ月相当)以来5カ月ぶりの低水準となった。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:モーニングスター社

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