日経平均は134円安と反落、引けにかけ安値推移、外国人売り観測根強い=27日後場

 27日後場の日経平均株価は前日比134円34銭安の2万8991円89銭と反落。朝方は、26日の米ナスダック総合指数が最高値を更新した流れを受け、半導体関連株の一角などが買われ、寄り付き直後に2万9187円11銭(前日比60円88銭高)まで値を上げる場面があった。ただ、買いは続かず、いったん下げに転じた。その後しばらく前日終値近辺でもみ合ったが、上値は重く、次第に軟化した。外国人売り観測が根強く、下げ幅を広げ、大引け間際には2万8990円19銭(前日比136円04銭安)まで値を下げた。なお、日銀は27日の金融政策決定会合で金融政策の現状維持を決定(正午に報道)し、展望リポートでは物価見通しを引き下げたが、反応は限られた。

 東証1部の出来高は11億5937万株、売買代金は2兆4409億円。騰落銘柄数は値上がり749銘柄、値下がり1338銘柄、変わらず103銘柄。

 市場からは「欧州系ファンドによる大型株中心の売り注文が見られる。日本でも広がる新型コロナ変異株への警戒なのかは定かではないが、一部中東マネーも売りに動いており、気になるところだ」(欧州系証券)との声が聞かれた。

 業種別では、アステラス薬<4503.T>、第一三共<4568.T>、小野薬<4528.T>などの医薬品株が軟調。HOYA<7741.T>、オリンパス<7733.T>などの精密株や、信越化<4063.T>、旭化成<3407.T>などの化学株も安い。住友不<8830.T>、三井不<8801.T>、三菱地所<8802.T>などの不動産株も値を下げた。トヨタ<7203.T>、ホンダ<7267.T>、デンソー<6902.T>などの輸送用機器株や、ソニーG<6758.T>、日立<6501.T>、ファナック<6954.T>などの電機株も売られた。伊藤忠<8001.T>、三井物産<8031.T>などの卸売株もさえない。

 半面、川崎汽<9107.T>、郵船<9101.T>、商船三井<9104.T>などの海運株が堅調。野村<8604.T>、SBI<8473.T>などの証券商品先物株や、りそなHD<8308.T>、ゆうちょ銀行<7182.T>などの銀行株も買われた。日本紙<3863.T>、中越パ<3877.T>などのパルプ紙株も上昇。日本製鉄<5401.T>、神戸鋼<5406.T>、東製鉄<5423.T>などの鉄鋼株や、住友鉱<5713.T>、三菱マテリアル<5711.T>などの非鉄金属株も高い。

 個別では、正興電機<6653.T>、フェイス<4295.T>、カーブスHD<7085.T>、マクロミル<3978.T>、積水化学<4204.T>などの下げが目立った。半面、山洋電気<6516.T>がストップ高となり、ホクシン<7897.T>も一時ストップ高。中央発條<5992.T>、岩崎電気<6924.T>、北恵<9872.T>などの上げも目立った。きょう新規上場のテスHD<5074.T>は公開価格1700円に対して362円高の2062円で取引を終了した。なお、東証業種別株価指数は全33業種中、25業種が下落した。

(写真:123RF)

提供:モーニングスター社

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