来週の東京外国為替市場見通し=米中で経済正常化鮮明なら、ドル・円堅調か

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2021/4/30 16:18

予想レンジ:1ドル=107円20銭-111円00銭

 4月26-30日のドル・円は上昇した。週初26日は、欧州の経済回復期待を背景にユーロが買われ、ドルが売られた影響でドル・円は上値の重い展開だった。27日は、日銀の黒田東彦総裁の発言を受け、円売りが強まった。28日は、27-28日開催のFOMC(連邦公開市場委員会)は、政策金利の据え置きと債券購入プログラムの月額購入額の維持を決定、事前予想通りだったことから、市場の反応は限られた。29日は、強い米1-3月期GDP(国内総生産)成長率の結果を受け、ドル買いが強まった。

 引き続き、世界の新型コロナ感染症やワクチン接種動向に気を付けたい。4月30日から5月3日の週にかけて、中国で4月の重要経済指標発表が続く。新型コロナウイルス感染症拡大を抑制出来ているとされる中国の経済正常化が鮮明となれば、投資家のリスク許容度が拡大し、ドル・円へプラスに働く可能性が高い。

 米経済指標では、5月3日に米4月ISM(供給管理協会)製造業景況指数、米4月ISM非製造業景況指数、米4月ADP(オートマティック・データ・プロセッシング)雇用統計、米4月雇用統計の発表が予定されている。米国経済は、1-3月期GDP成長率が強い結果となったことなどから、正常化への期待が高まっている。先行きの景気見通しに対し楽観的な見方が一段と広がれば、投資家心理の改善からドル買い・円売りが出やすくなると見られる。

 ドル・円の上値メドは21年3月につけた高値1ドル=110円96銭近辺。下値メドは75日移動平均線がある107円19銭近辺。

提供:モーニングスター社

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