関通、物流センター新設・増床やソフトウエアの強化継続で市場規模拡大を上回る成長を目指す

株式

2021/4/30 17:53

 イーコマースや通販を展開する事業者を中心に物流サービスを提供している関通<9326.T>は28日、21年2月期の決算説明会動画を公開した。14日に発表した決算は、売上高が前期比30.5%増の95億3000万円、営業利益は同43.5%増の4億1800万円だった。前期に物販事業から撤退したものの、EC(電子商取引)・物販物流支援サービスの増加、ソフトウエア販売・利用サービスの増加が売上増に結び付き、売上高の増加に伴い、利益も大きく拡大した。

 動画に出演した達城久裕代表取締役社長は、「第1四半期はコロナの影響で新規導入に遅れがあったが、第2四半期は増床した物流センターへの顧客の導入が想定通りに進み、第3四半期は出荷量の増加に対応するため先行費用がかさんだものの、第4四半期はこれらの活動が成果に現れた」と説明した。

 設備投資については、物流ロボットの導入、関西主管センター(兵庫県)の増床、倉庫管理システム「クラウドトーマス」およびチェックリストシステム「アニー」の機能追加といったソフトウエアのバージョンアップ、冷凍冷蔵倉庫(大阪府)の増設が完了。今後は、10月までに東京主管センター(埼玉県)を、22年2月までに関西新物流センター(兵庫県)を開設するほか、物流センターへの物流ロボットの導入や、「クラウドトーマス」の機能強化や「アニー」の利便性向上といったソフトウエアの開発も進める。「今後も物流自動化機器・システムの導入を推進し、物流センターの新設・増床の設備投資を進め、事業の拡大を図っていく」(達城社長)という。

 22年2月期の連結業績予想は、売上高107億5600万円(前期比12.9%増)、営業利益6億7000万円(同60.4%増)とした。物流サービス事業では、一部の顧客の契約切り替えの影響を踏まえて保守的に見込んでいるが、2件の物流センターの増設で新規顧客に対する売上の増加を見込む。ITオートメーション事業では、個別カスタマイズが可能な「クラウドトーマスPro」を投入し、顧客層の拡大を図るが、達城社長は、「予算(計画)には個別のカスタマイズ売上を織り込んでいないため、保守的に見込んでいる」と述べている。

 また、中期経営計画についても説明。EC市場の規模拡大を見込み、最終年度とする24年2月期に売上高153億7000万円、営業利益10億9500万円を目指す。物流サービス事業は物流センターの拡充、物流ロボットなどの自動化機器への設備投資により、市場規模の拡大を上回る成長を図る。「特に食品関連のEC化率は低く、成長余地が大きい」(達城社長)としており、大型冷凍冷蔵倉庫の新設で同分野を強化していく。また、ITオートメーション事業は、クライドトーマスを中心としたソフトウエア投資を推進し、ITベンダーとしての地位を確立する。

 このほか、WEB活用による顧客獲得の強化、物流自動化機器・システム導入による効率化、人材の確保と育成にも注力していくとした。

提供:モーニングスター社

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