<新興国eye>前週のブラジル株、インフレ加速や利上げへの懸念強まり、続落=BRICs市況

新興国

2021/5/6 8:50

 前週(4月26-30日)のブラジル株式市場は30日のボベスパ指数が前日比0.98%安の11万8893.8、週間ベースでは23日終値比1.36%安となり、続落した。

 週明け26日の指数は続伸して始まった。ブラジルのアパレル大手へリングが複合企業大手ソーマグループとの合併を発表したことを受けて急騰し、指数の上げを主導した。

 27日は3営業日ぶりに反落。ブラジル中銀の経済週報「フォーカス・ブルティン」で、IPCA(拡大消費者物価指数)で見た21年のインフレ見通しが前週の4.92%上昇から5.01%上昇に引き上げられ、また、21年末時点の政策金利の見通しも前週の5.25%から5.50%に引き上げられたことを受け、インフレ抑制の利上げが近づくとの懸念が強まり、売り優勢となった。

 28日は反発した。FRB(米連邦準備制度理事会)がFOMC(米連邦公開市場委員会)で金融緩和を当面継続する方針を示したことで、ブラジルなどの新興国からの投資資金の流出懸念が後退し、買い優勢となった。

 29日は再び反落し、週末30日も大きく値を下げ、続落した。

 29日は、ジェトゥリオ・バルガス財団(FGV)の4月IGP-MIインフレ指数が前年比32.02%上昇と市場予想の同31.8%上昇を上回り、中銀による利上げ観測が強まったことや、ブラジル政府のパンデミック(感染症の世界的大流行)への対応の遅れを調査する専門委員会(CPI)が経済改革を遅らせるとの懸念で売りが広がった。

 30日は、インドの1日当たり新型コロナ感染者数が38万6693人と過去最多を更新したことや、弱い中国4月製造業PMI(購買担当者景気指数)、ユーロ圏1-3月期GDP(国内総生産)を受け、世界景気の回復遅延懸念が強まり、ブラジル株も売られた。

 今週(3-7日)の株式市場は、国内外の新型コロナ感染拡大やワクチン接種の動向に加え、新型コロナ関連の政府の追加支援や財政健全化問題、議会の新型コロナ専門委員会(CPI)の動向、米国の景気・インフレ・長期金利の動向、欧米と中国の緊張激化、欧米やアジアの市場動向、原油などの国際商品相場の動向などが注目される。主な経済指標の発表予定は7日の4月ジェトゥリオ・バルガス財団(FGV)IGP-DIインフレ指数(全国卸売物価指数)と3月小売売上高などがある。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、iSエマジン<1582.T>、上場MSエマ<1681.T>、

 iS新興国<1362.T>、上場EM債<1566.T>

提供:モーニングスター社

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