<新興国eye>前週のインド株、好調な企業決算や中銀の金融支援措置を好感し、続伸=BRICs市況

新興国

2021/5/10 10:01

 前週(3-7日)のインド株式市場で、代表的株価指数SENSEX指数の7日終値は前日比0.52%高の4万9206.47、週間ベースでは4月30日終値比0.87%高となり、続伸した。

 週明け3日の指数は売り優勢で始まり、4日も値を下げ、3営業日続落した。

 週前半は、新型コロナの1日当たりの新規感染者数が約36万人となり、医療体制が崩壊の危機に直面していることを受け、政府のコロナ対策専門家チームが全国的なロックダウン(都市封鎖)を政府に進言したとの地元メディアの報道が嫌気された。特に世界最大の製油所を運用するリライアンス・インダストリーズが指数の下げを主導。その後もワクチン接種のペースが思ったほど進まない危機的な状況に加え、複数の銀行がインド準備銀行(RBI)に対し、パンデミック(感染症の世界的大流行)による企業や家計の借入金の返済負担を軽減するため、タームローン(証書貸付)の元本と利息の分割返済を3カ月間猶予するモラトリアム(一時停止)の再導入を要請したと地元メディアが報じたことも売り材料となった。

 5日は反発し、週末7日まで3連騰した。

 5日は、感染者急増に歯止めがかからない中、政府への景気対策期待が高まり、買いが優勢となった。また、RBIが債務者へのモラトリアムを承認したことで、債務者は最大2年間の返済猶予が可能となったことや、公開市場操作(オペ)を通じ、中小金融機関に最大5000億ルピーの資金供給を決めたことも好感され、買いが一段と強まった。

 6日は、鉄鋼大手タタ・スチールが四半期決算で利益がアナリスト予想を上回ったことが好感され、指数の上げを主導した。

 7日は、1日当たりの感染者数が41万4000人超となったものの、タタ・スチールが3連騰したことや、コモディティ(国際相場商品)相場の上昇で金属株が買われ、生命保険大手SBIライフ・インシュアランスや非鉄金属・鉱業最大手ベダンタ・リソーシズも急伸し、相場を押し上げた。

 今週(10-13日)のインド市場は、新型コロナ感染の急拡大や変異ウイルス、ワクチン接種の動向、世界経済、特に米・中・欧の景気動向、米中関係、米長期金利や原油価格の動向、インド国内の景気動向や金融緩和期待、主要企業の四半期決算などが注目される。主な経済指標の発表予定は12日の3月鉱工業生産と4月CPI(消費者物価指数)、14日の4月WPI(卸売物価指数)と4月貿易収支など。週末14日は「断食明け大祭」の祝日のため、休場となる。

<関連銘柄>

 上場インド<1549.T>、インドNIF<1678.T>、インドブル<2046.T>、

 インドベア<2047.T>、iSエマジン<1582.T>

提供:モーニングスター社

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