<新興国eye>前週のロシアRTS指数、原油高や米ロ首脳会談6月開催の思惑で反発=BRICs市況

新興国

2021/5/10 10:32

 前週(4-7日)のロシア株式市場はRTS指数(ドル建て)の7日終値が前日比1.73%高の1577.51、前週比でも4月30日終値比6.23%高と大幅反発した。週初3日は「レーバーデー」で休場だった。

 週明け取引が再開された4日の指数は反発して始まり、週末7日まで4連騰した。

 週前半は、ブレント原油先物が欧米での原油需要の回復見通しで1バレル=69ドルに急伸したことや、ブリンケン米国務長官が米ロ首脳会談の開催の可能性を示唆したことを受け、6月にも開催されるとの思惑で買い優勢となった。

 週半ばは、欧州主要国や米国の多くの州が新型コロナ感染の鎮静化で経済の再開に向けて動き出したことを受け、世界景気の回復期待から海外市場が堅調となったほか、原油先物価格が69.3ドルに上昇したことが買い材料となった。

 週後半は、イエレン米財務長官が積極的な財政出動による米経済の過熱を防ぐため、調整的な利上げの可能性を示唆したことから欧米市場に下押し圧力がかかり、ロシア株もツレ安に。

 週末は米4月雇用統計で非農業部門雇用者数が市場予想を下回ったものの、これによりテーパリング(量的金融緩和の段階的縮小)観測が後退したことが株式市場の追い風となり欧米市場が上昇、ロシア市場でも買い優勢となった。

 今週(11-14日)のロシア市場は引き続き、新型コロナ感染や変異ウイルス、ワクチン接種などの動向、世界経済の動向、対ロ制裁、ロシア国内の景気対策、原油価格、ルーブル相場、主要企業ニュース、反体制派指導者ナワリヌイ氏の動向などが焦点となる。このほか、原油価格に影響を与える11日の米API(石油協会)週間石油在庫統計や12日の米EIA週間石油在庫統計も注目される。主な国内経済指標の発表予定は12日の3月貿易収支など。指数は1500-1650ポイントの値動きが予想される。10日は「対ドイツ戦勝記念日」(9日)の振替休日のため、休場となる。

<関連銘柄>

 RTS連動<1324.T>、iSエマジン<1582.T>、iS新興国<1362.T>、

 WTI原油<1671.T>、ガス<1689.T>、原油<1690.T>、

 野村原油<1699.T>、iエネルギー<2024.T>

提供:モーニングスター社

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