<新興国eye>前週のブラジル株、ヴァーレの急騰受け3週ぶり反発=BRICs市況

新興国

2021/5/10 10:36

 前週(3-7日)のブラジル株式市場は7日のボベスパ指数が前日比1.77%高の12万2038.1、週間ベースでも4月30日終値比2.64%高と、3週ぶりに大きく反発した。

 週明け3日の指数は反発して始まった。ジェトゥリオ・バルガス財団(FGV)の4月企業景況感指数(ICE)が89.8と、前月を4.3ポイント上回り、7カ月ぶりに上昇に転じたことなどが買い材料となった。

 4日は急反落。ブラジル国民の債務額がパンデミック(感染症の世界的大流行)により過去最高に達したという大手シンクタンクIBRE・FGVの最新調査結果が嫌気された。

 5日は急反発し、週末7日まで3連騰した。

 5日は、3月鉱工業生産が市場予想を上回ったほか、海外市場が堅調となったことを受け、買い優勢となった。

 6日は、前日引け後にブラジル中銀がインフレ抑制のため、政策金利を0.75ポイント引き上げ3.50%とし、市場の想定内だったことから、買い安心感が広がった。

 7日は、米4月雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を下回ったことを受け、FRB(米連邦準備制度理事会)のテーパリング(量的金融緩和の段階的縮小)観測が後退したとの見方が支援材料となった。また、中国の4月輸出の伸びが予想以上に加速し、景気拡大の兆候が示されたことを受け、鉄鉱石相場が上昇したため、鉱山大手ヴァーレが急騰し、指数の上げを主導した。

 今週(10-14日)の株式市場は、国内外の新型コロナ感染拡大やワクチン接種の動向に加え、新型コロナ関連の政府の追加支援や財政健全化問題、議会の新型コロナ専門委員会(CPI)の証人喚問、米国の景気・インフレ・長期金利の動向、欧米と中国の緊張激化、欧米やアジアの市場動向、原油などの国際商品相場の動向などが注目される。主な経済指標の発表予定は11日の4月IPCA(拡大消費者物価指数)など。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、iSエマジン<1582.T>、上場MSエマ<1681.T>、

 上場EM債<1566.T>

提供:モーニングスター社

関連記事

マーケット情報

▲ページTOPへ