来週の東京外国為替市場見通し=FOMC議事録でのメンバー見解やテーパリング探る動きに注意
予想レンジ:1ドル=107円50銭-111円00銭
10-13日のドル・円は上昇した。週初10日は、前週末に米金融緩和の長期化観測でドル・円が軟化したことへの買い戻しが入る展開となり、ドル買い・円売り優勢。11日は、欧州株安を背景にユーロ・円が下落し、ドル・円も軟化した。12日、米4月CPI(消費者物価指数)が市場予想を大幅に上回ったことを受け、インフレへの警戒感が意識され、米長期金利が急上昇。ドル・円も大幅に上昇した。13日は前日のドル買い・円売り優勢の流れを受け継ぎドル・円は一時4月9日以来の高値水準となる1ドル=109円78銭を付けたが、その後は上値の重い展開となった。
目先は14日の米4月小売売上高が注目される。米追加景気対策の一環で米国民に支給された現金給付効果が出た3月から弱含むとの見方が大勢だが、市場予想を上回ればテーパリング(量的金融緩和の段階的縮小)観測が強まりドル・円を押し上げる可能性がある。週明けは、4月27-28日開催分FOMC(米連邦公開市場委員会)議事録がカギとなりそうだ。4月FOMCでは量的緩和の継続が決まり、市場が見込んでいたテーパリングの議論も否定された。
ただ、その後、発表された1-3月期GDP(国内総生産)は市場予想を下回ったものの、前期比年率6.4%増と3四半期連続でプラス成長を維持するなど、堅調が続いている。市場ではテーパリング観測は未だ根強い。FOMC議事録でのFOMCメンバーの見解にズレがないか確認しておきたい。米経済指標では、5月ニューヨーク連銀製造業景気指数、4月住宅着工件数、5月フィラデルティア連銀製造業景気指数、4月中古住宅販売件数などがある。
ドル・円の下値メドは、4月に付けた安値近辺の107円50銭。上値メドは、3月31日に付けた高値近辺の111円。
提供:モーニングスター社
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