<新興国eye>前週のインド株、成長率予測の下方修正などを嫌気し3週ぶり反落=BRICs市況
2021/5/17 9:43
前週(10-14日)のインド株式市場で、代表的株価指数SENSEX指数の14日終値は前日比0.09%高の4万8732.55、週間ベースでは7日終値比0.96%安となり、3週ぶりに反落した。13日は「断食明け大祭」の祝日のため、休場だった。
週明け10日の指数は4日営業日続伸して始まった。ムンバイの金融街「ダラルストリート」での1日当たりの新型コロナ感染者数が急減したことや、ロシア製ワクチン「スプートニクV」の試験接種が始まり、国内のワクチン不足懸念が後退したことで第2波感染拡大が収束するとの期待感で買い優勢となった。
翌11日は反落し、12日も値を下げ、続落した。
11日は、WHO(世界保健機関)がインド型変異ウイルスを、「世界的に懸念される変異ウイルス」に分類したことが嫌気されたほか、鉄鉱石や銅、木材など原油以外の国際商品相場の上昇で世界的なインフレ加速懸念が強まり、売り優勢となった。
12日は、米信用格付け大手ムーディーズ・インベスターズ・サービスが最新リポートで、ロックダウン(都市封鎖)を実施したインドの21年度成長率見通しを従来予想の13.7%増から9.3%増に下方修正したことや、米国のインフレ加速懸念が強まり、アジア株が下落したことを受け、インド株も売られた。
取引が再開された週末14日は3営業日ぶりに小反発した。経済予測機関によるインドの成長率見通しの下方修正が相次いだほか、ワクチン供給不足で売りが先行したが、軟調が続いていた米国市場が13日に持ち直したことが好感され、インド市場でも買い戻しが強まった。
今週(17-21日)のインド市場は、新型コロナ感染の急拡大や変異ウイルス、ワクチン接種の動向、世界経済、特に米・中・欧の景気動向、米中関係、米長期金利や原油価格の動向、インド国内の景気動向や金融緩和期待、主要企業の四半期決算などが注目される。主な経済指標の発表予定は17日の4月WPI(卸売物価指数)など。
<関連銘柄>
上場インド<1549.T>、インドNIF<1678.T>、インドブル<2046.T>、
インドベア<2047.T>、iSエマジン<1582.T>
提供:モーニングスター社
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