<新興国eye>前週のロシアRTS指数、原油安や米インフレ懸念で反落=BRICs市況

新興国

2021/5/17 9:44

 前週(10-14日)のロシア株式市場はRTS指数(ドル建て)の14日終値が前日比0.13%高の1548.93、前週比では7日終値比1.81%安となり、反落した。

 週明け10日の指数は反落して始まり、13日まで4営業日続落した。

 週前半は、欧米市場が下落したことや、米国の石油パイプラインがロシアのハッカー集団からのサイバー攻撃で操業を停止したことを受け、石油精製所での原油処理需要が減少するとの観測が強まり、ブレント原油先物は1バレル=68ドルに下落し、売り優勢となった。その後も海外市場が国際商品相場の上昇を受けた世界的なインフレ懸念が、ロシア株の重しとなった。

 週半ばは、米4月CPI(消費者物価指数)が市場予想を大きく上回ったことでインフレ懸念が強まり、米長期金利が上昇。また、FRB(米連邦準備制度理事会)の金融引き締め観測が強まり、ロシア株にも売りが広がった。

 週後半は、米国の石油パイプラインの再稼働の見通しで原油先物価格が67.5ドルと下押ししたことが嫌気された。

 週末14日は反発。これまでの相場下落を受け、安値拾いや値ごろ感による買い戻しが活発化した。

 今週(17-21日)のロシア市場は引き続き、新型コロナ感染やインド型変異ウイルス、ワクチン接種などの動向、世界経済の動向、対ロ制裁、ロシア国内の景気対策、原油先物価格、ルーブル相場、主要企業ニュース、反体制派指導者ナワリヌイ氏の動向、さらには6月の米ロ首脳会談前に開かれる両国の外相会談が焦点となる。このほか、原油価格に影響を与える18日の米API(石油協会)週間石油在庫統計や19日の米EIA週間石油在庫統計も注目される。主な国内経済指標の発表予定は17日の1-3月期GDP(国内総生産)や19日の4月鉱工業生産など。指数は1500-1650ポイントの値動きが予想される。

<関連銘柄>

 RTS連動<1324.T>、iSエマジン<1582.T>、iS新興国<1362.T>、

 WTI原油<1671.T>、ガス<1689.T>、原油<1690.T>、

 野村原油<1699.T>、iエネルギー<2024.T>

提供:モーニングスター社

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