<新興国eye>前週のブラジル株、米インフレ懸念受け反落=BRICs市況

新興国

2021/5/17 10:31

 前週(10-14日)のブラジル株式市場は14日のボベスパ指数が前日比0.97%高の12万1880.8、週間ベースでは7日終値比0.13%安となり、反落した。

 週明け10日の指数は小反落して始まった。欧米市場が下落したことや、手掛かり材料難となる中、これまでの相場上昇で高値警戒感が強まり、利益確定売り優勢となった。

 11日は反発。ブラジル中銀の金融政策決定会合の議事録が公表され、第2波感染拡大による経済への悪影響が予想以上に強いものの、下期(7-12月)からワクチン効果で経済活動が力強く再開するとの見方が示されたことで買い戻しが入った。

 12日は大幅反落となった。米4月CPI(消費者物価指数)が市場予想を大幅に上回ったことでインフレ懸念が強まり、FRB(米連邦準備制度理事会)の金融引き締め観測が強まったことからブラジル株にも売りが広がった。

 13日は反発し、週末14日も値を上げ、続伸した。

 週後半は、ブラジル中銀が発表したGDPの先行指標となっている3月IBC―Br(経済活動指数)が前月比1.59%低下と、市場予想の同3.40%低下を下回ったことを受け、経済予測を出す各機関が6月1日発表予定の1-3月期GDP(国内総生産)を相次いで上方修正したことで地合いが改善した。

 週末は、米4月小売売上高など米経済指標がさえない結果となったものの、インフレ懸念が後退したことで米国株が大幅高。ブラジル株もツレ高となった。

 今週(17-21日)の株式市場は、国内外の新型コロナ感染拡大やワクチン接種の動向に加え、新型コロナ関連の政府の追加支援や財政健全化問題、議会の新型コロナ専門委員会(CPI)の証人喚問、米国の景気・インフレ・長期金利の動向、欧米と中国の緊張激化、欧米やアジアの市場動向、原油などの国際商品相場の動向などが注目される。主な経済指標の発表予定はない。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、iSエマジン<1582.T>、上場MSエマ<1681.T>、

 iS新興国<1362.T>、上場EM債<1566.T>

提供:モーニングスター社

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