米4月住宅着工件数、前月比9.5%減の156.9万戸―市場予想下回る

経済

2021/5/19 10:28

<チェックポイント>

●着工件数、5カ月ぶり低水準―一戸建ての急減が主因

●許可件数は前月比0.3%増の176万戸―2カ月連続で回復も市場予想下回る

●一戸建て完成件数は同4.4%減の144.9万戸―6カ月連続で増加

 米商務省が18日発表した4月住宅着工件数(季節調整値)は年率換算で前月比9.5%減の156万9000戸と、3月の同19.8%増(改定前は19.4%増)から大幅減少に転じ、市場予想の170万-171万5000戸に対しても大きく下回った。

 市場では、4月の住宅着工が大幅に減少したのは、1-2月に襲った寒波が落ち着き、3月が急増した反動に加え、住宅建設用地や熟練労働者、建築資材の不足といったサプライチェーンのボトルネック(制約による品不足)、さらに建築資材の高騰でコスト高となっているため、建築業者が損失を恐れて着工を抑制したとみている。

 着工件数の内訳は、月ごとに変動が激しいアパート(5世帯以上)が前月比4.0%増の47万戸と、3月の同23.8%増(改定前は30.0%増)からさらに伸びた。ただ、主力の一戸建ては同13.4%減の108万7000戸と、3月の同17.4%増(同15.3%増)から大幅減少に転じたことが大きく響いた。

 先行指標である住宅建築許可件数は、アパート(5世帯以上)が前月比11.1%増と急増したが、一戸建てが同3.8%減となったため、全体では同0.3%増の176万戸と微増にとどまった。2カ月連続で回復したが、市場予想の176万-177万戸をやや下回った。

 一戸建ての完成住宅件数は前月比0.1%増の104万5000戸と、3月の同2.7%増に続いて6カ月連続の増加となった。アパート(5世帯以上)が同13.8%減の40万1000戸と急減したため、全体では同4.4%減の144万9000戸と、3月の同12.5%増から3カ月ぶりに減少したものの、21年に入り2番目に高い水準で、07年8月(151万2000戸)以来、13年8カ月ぶりの高水準が続いている。

 また、バックログ(建築許可が下りたあと、未着工となっている件数)は一戸建てが同4.0%増の13万1000戸と4カ月連続で増加し、07年3月(13万2000戸)以来14年1カ月ぶりの高水準となっている。

 他方、一戸建ての建築中件数は前月比0.8%増の64万2000戸と、20年6月以降11カ月連続の増加となった。アパート(5世帯以上)も同0.5%増の65万8000戸となったことから、全体では同0.6%増(前年比は9.9%増)の131万2000戸となった。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:モーニングスター社

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