<新興国eye>トルコ1-3月期失業率12.9%―前期から上昇も雇用環境は改善へ

新興国

2021/5/20 10:41

 トルコ統計局が18日発表した21年1-3月期失業率(季節調整後、15歳以上)は12.9%と、新型コロナ感染再拡大を阻止する経済規制が緩和され始めたことを受け、前20年10-12月期の12.8%からやや上昇(悪化)した。ただ、労働参加率は50.3%と、前期の49.3%を上回っており、雇用環境は改善の兆しを見せている。

 同国では3月にパンデミック(感染症の世界的大流行)規制が緩和されたが、その後、感染が急拡大したことを受け、4月15日から5月17日まで全国的なロックダウン(都市封鎖)に入り、再び規制が強化されている。

 失業率全体のうち、非農業部門の失業率は14.8%と、前期の14.9%から低下したが、前年同期の14.7%をやや上回った。

 年代別では15-24歳の若年層は25.3%と、前期の25.9%から低下した。ただ、1年前の23.8%を上回る高失業率の状態が続いている。

 また、失業者数(15歳以上)は前期比14万2000人増の411万8000人となった。前年比では9万人増と、依然悪化している。一方、雇用者数は同62万7000人増の2772万5000人と、増加し、前年比でも51万9000人増と、1年前を大きく上回った。この結果、雇用率は43.8%と、前期の43.0%を上回り、改善した。

 セクター別の雇用者数は、サービス業が全体の54.9%を占めて最も高く、次いで製造業の21.3%、農業の17.5%、建設業の6.2%となった。

 政府は3月に期限切れとなった一時帰休者への給与支援制度(国が給与の60%を補填)

を6月末まで3カ月間延長したことから4月以降の失業率は改善が予想される。

 政府が20年9月29日に発表した21-23年の新中期3カ年経済計画では、21年末時点の失業率の見通しを12.9%、22年末時点は11.8%、23年末時点は10.9%と、徐々に改善していくと予想している。

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 上場MSエマ<1681.T>

提供:モーニングスター社

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