<中原圭介の相場観>5月のマーケットはまだまだ波乱含み

コラム

2021/5/20 17:14

 NYダウはきれいな上昇トレンドを継続中だが、歴史的にみて割高な株価水準が意識されている。その一方で、ナスダック総合指数はダブルトップのチャートを形成し、上昇トレンドはひとまず終わった形に見える。

日経平均のサポートライン見極め

 米国ではGAFAM(IT巨頭各社)の直近の決算は市場予想を上回っていたものの、バイデン政権による反トラスト法強化の懸念が根強い。そのため、ナスダックは今後反発してトリプルトップを形成することはあっても、ダブルトップを否定して上値を追うのは難しそうだ。

 米国のハイテク株の影響が大きい日本株にとって、これは無視できない要素だ。5月13日のコラムでは、日経平均株価が2万8300円台のサポートラインを割り込んだため、次の焦点はどこで新しい支持線を形成できるかだと書いた。今のところ、5月13日に付けた2万7385円が底値として機能するのか、それを見極めるには、あと1週間ないし2週間といった時間を要する。

需給整理にもう一段の下落も

 5月第2週の信用買い残(2市場)が3兆3360億円台と3年ぶりの高水準であるのに対して、信用売り残が6422億円と4年9カ月ぶりの低水準となった。加えて、直近までのマザーズ市場の急落によって個人の信用評価損益率は大幅に悪化している。

 海外の投機筋が売り崩しやすい需給関係にあり、もう1度か2度下に振って信用買い残の整理を進めないことには、日経平均が3万円を目指すという展開は考えづらい。まだまだ波乱があると考えて対応した方がいいだろう。

 昨年からの相場を振り返ってみると、波乱の時にこそ大きなチャンスがあった。今後も強気派にも弱気派にも属することなく、中立的な視点で当コラムを継続していきたい。オンラインサロン(オンラインによる交流)の立ち上げなど、読者の皆様との会話を密にするコミュニティーも始めたので、楽しみにしていただきたい。

(アセットベストパートナーズ 中原圭介)

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