米4月中古住宅販売件数、前月比2.7%減の年率585万戸―市場予想下回る

経済

2021/5/24 9:32

<チェックポイント>

●住宅供給が増えるのはワクチン接種進む21年後半―NAR予想

●販売価格は前月比4.7%上昇の34.16万ドル―過去最高値

●未販売住宅(在庫)は2.4月分相当―2カ月連続増加も依然供給不足

 NAR(全米不動産業協会)が21日発表した4月中古住宅販売件数(季節調整済み)は前月比2.7%減の年率換算585万戸と、3月の同3.7%減や大寒波の悪影響で同5.5%減と、急減した2月に続いて3カ月連続の減少となり、20年6月(477万戸)以来10カ月ぶりの低水準となった。また、市場予想の607万-609万戸を下回った。一方、前年比は33.9%増と、10カ月連続で前年水準を上回った。

 販売件数の落ち込みについて、NARのチーフエコノミスト、ローレンス・ヤン氏は、「住宅供給量が需要を大きく下回っているため」とした上で、「住宅供給が増えるのはワクチン接種が一段と進む21年後半になる。この時期になれば潜在的な住宅所有者が物件を売出しやすくなる。また、住宅所有者のローンの返済猶予や返済減額といった件数も減少する」とみている。

 一方、住宅供給の過不足感を示す4月時点の未販売住宅(在庫)は前月比10.5%増の116万戸と、2カ月連続で増加した。これを4月の販売ペースに換算した在庫水準では2.4カ月分と、3月の2.1カ月分や2月の2カ月分から3カ月連続で上昇したが、依然、1月の過去最低水準(1.9カ月分)に近いレベルだ。

 地域別販売件数を見ると、中西部を除く全地区で大幅に減少した。特に、全体の4割以上を占め、最もウエートが大きい南部は前月比3.7%減(前年比39.0%増)の260万戸と、3カ月連続の減少となった。北東部も同3.9%減(同30.4%増)の73万戸と、4カ月連続の減少。西部も同3.1%減(同53.8%増)の123万戸と、2カ月連続で減少した。ただ、中西部は同0.8%増(同13.2%増)の129万戸と、4カ月ぶりに増加している。

 一方、中古住宅価格は中央値で前月比4.7%上昇の34万1600ドルと、3カ月連続で上昇し、過去最高値となった。前年比も19.1%上昇と、最も高い伸びとなった。110カ月連続で前年水準を上回っている。住宅供給不足が続いているため、住宅価格には上昇圧力がかかっている。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:モーニングスター社

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