<新興国eye>前週のインド株、新型コロナ感染拡大の沈静化観測などで反発=BRICs市況

新興国

2021/5/24 9:45

 前週(17-21日)のインド株式市場で、代表的株価指数SENSEX指数の21日終値は前日比1.97%高の5万540.48、週間ベースでも14日終値比3.71%高と、急反発した。

 週明け17日の指数は買い先行で始まり、18日も値を上げ、3営業日続伸した。

 週前半は、新型コロナの第2波感染拡大が小康状態に向かう見通しが強まったことが好感された。その後も新型コロナの1日新規感染者数が30万人を下回ったことや、自動車大手タタ・モーターズの四半期単独決算が最終黒字に転換したことや、製薬大手グランド・ファーマも四半期決算で最終大幅増益になったことが、指数の押し上げにつながった。

 19日は反落し、20日も値を下げ、続落。

 週半ばは、アジア市場が軟調となったことや、4月WPI(卸売物価指数)が約11年ぶりの高水準となったことを受け、インフレ加速懸念が強まり、追加金融緩和観測が後退。売り優勢となった。

 週後半は、FOMC(米連邦公開市場委員会)議事録でFRB(米連邦準備制度理事会)によるテーパリング(量的金融緩和の段階的縮小)の議論を開始する可能性が示され、米株安となったことを受け、リスク投資を回避する動きが強まった。住宅金融大手ハウジング・デベロップメント・ファイナンス(HDFC)やICICI銀行など金融株が売られた。

 週末21日は急反発した。前日にFRBの金融引き締め懸念が後退し、欧米市場が持ち直したことから買い戻しが活発化した。

 今週(24-28日)のインド市場は、新型コロナ感染の急拡大や変異ウイルス、ワクチン接種の動向、世界経済、特に米・中・欧の景気動向、米中関係、米長期金利や原油価格の動向、インド国内の景気動向や金融緩和期待、主要企業の四半期決算などが注目される。主な経済指標の発表予定はない。

<関連銘柄>

 上場インド<1549.T>、インドNIF<1678.T>、インドブル<2046.T>、

 インドベア<2047.T>、iSエマジン<1582.T>

提供:モーニングスター社

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