<新興国eye>前週のブラジル株、感染拡大の沈静化観測や原油高が買い材料となり反発=BRICs市況

新興国

2021/5/24 10:52

 前週(17-21日)のブラジル株式市場は21日のボベスパ指数が前日比0.09%安の12万2592.5、週間ベースでは14日終値比0.58%高となり、反発した。

 週明け17日の指数買い優勢で始まり、18日も値を上げ、4営業日続伸。

 週前半は、新型コロナ感染拡大が沈静化し始めたとの観測で、投資家のリスク投資が強まったことや、原油先物価格の上昇で資源株が買われ、指数の上げを主導した。その後もワクチン接種の加速による経済活動の再開期待や経済省が21年GDP(国内総生産)見通しを上方修正したことが好感された。

 19日は反落。FOMC(米連邦公開市場委員会)議事録で、FRB(米連邦準備制度理事会)がテーパリング(量的金融緩和の段階的縮小)の議論を開始する可能性が示されたことを受け、欧米市場でリスク回避の動きた強まり、ブラジル市場でも売り優勢に。

 20日は小反発。米株市場が持ち直したことが好感され、ブラジル株も買われたが、中国政府が商品相場の上昇を抑制するため、監視強化に乗り出す方針を示したことで鉄鉱石相場が下落したため、鉱山大手ヴァーレが売られ、指数の上げは限定的となった。

 週末21日は小反落した。FRBの金融引き締め懸念が後退し、欧米市場が堅調となり、ブラジル市場でも一時、買いが強まったが、結局、ややマイナス圏で引けた。

 今週(24-28日)の株式市場は、国内外の新型コロナ感染拡大やワクチン接種の動向に加え、新型コロナ関連の政府の追加支援や財政健全化問題、議会の新型コロナ専門委員会(CPI)の証人喚問、米国の景気・インフレ・長期金利の動向、欧米と中国の緊張激化、欧米やアジアの市場動向、原油などの国際商品相場の動向などが注目される。主な経済指標の発表予定は25日のジェトゥリオ・バルガス財団(FGV)の5月消費者信頼感指数と5月中旬時点のIPCA(拡大消費者物価指数)、26日の4月経常収支、28日のFGV5月IGP-MIインフレ指数など。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、iSエマジン<1582.T>、上場MSエマ<1681.T>、

 iS新興国<1362.T>、上場EM債<1566.T>

提供:モーニングスター社

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