<新興国eye>カンボジア・フランチャイズ・エキスポに米国企業9社が参加

新興国

2021/5/28 10:23

 5月5日、在カンボジア米国大使館、米国外国商業サービス(米国商業省)、カンボジア米国商工会議所は、「カンボジア・フランチャイズ・エキスポ」をオンラインで開催しました。米国やアジア地域で展開している有名な米国フランチャイズ企業9社が参加しました。チップモンやワールドブリッジなどのカンボジア地場企業30社以上が参加し、商談したとのことです。

 カンボジアにはすでに、フォード・モーター<F>、スターバックス<SBUX>、カールス・ジュニア(ハンバーガー)などが進出しています。カンボジア側も、フランチャイズにより、米国の高品質な製品やサービスを導入したいとの希望が高まっているとのことです。また、米国企業側も、カンボジアは、中間層や可処分所得の拡大、起業家精神に富んだ若年層など、フランチャイザーにとって魅力的な要素が多いと期待する声があります。また、税制面や今後の経済成長なども魅力的であるとしています。

 参加した米国企業9社のうち、レストラン・チェーンの「チリーズ(Chili’s)」と「ザ・ボイリング・クラブ(The Boiling Crab)」、フィットネス・チェーンの「スナップ・フィットネス(Snap Fitness)」は、カンボジア進出に積極的で、新型コロナ収束後、22年にもフランチャイズ契約を締結して進出に結び付けたいとしているとのことです。

 米中冷戦の中で、カンボジアは「親中派」とされていますが、米国との経済関係を深めることでバランスをとることも重要と見られます。今後の米国企業の展開が注目されます。

【筆者:鈴木博】

1959年東京生まれ。東京大学経済学部卒。82年から、政府系金融機関の海外経済協力基金(OECF)、国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)などで、政府開発援助(円借款)業務に長年携わる。2007年からカンボジア経済財政省・上席顧問エコノミスト。09年カンボジア政府よりサハメトレイ勲章受章。10年よりカンボジア総合研究所CEO/チーフエコノミストとして、カンボジアと日本企業のWin-Winを目指して経済調査、情報提供など行っている。

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提供:モーニングスター社

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