<新興国eye>前週の上海総合指数、元高や金融引き締め懸念後退で大幅反発=BRICs市況

新興国

2021/5/31 9:42

 前週(24-28日)の中国株式市場は主要指標である上海総合指数の28日終値が21日終値比3.28%高の3600.784となり、大幅反発した。

 週明け24日の指数は反発して始まり、27日まで4連騰した。

 週前半は、中国政府によるコモディティ(国際相場商品)市場への介入強化や暗号資産(仮想通貨)ビットコインの採掘・取引の取り締まり強化を受け、素材・資源株や仮想通貨関連銘柄が売られる一方で、潤沢な流動性や金利低下を追い風に証券など金融関連株が買われ、相場を押し上げた。その後も中国国家衛生健康委員会が国内のワクチン接種回数が計5億1086万回に達したことを明らかにしたことで経済活動の早期正常化期待が強まり、また、中国人民銀行(中銀)が人民元レートの対米ドル基準値を元高方向に設定し、元高が進んだこと、さらには中国と米国でインフレ懸念が後退したことが好感された。

 週半ばは、人民元が対ドルで約3年ぶり高値を記録したことが支援材料となった。また、中国スマートフォン大手小米科技(シャオミ)が米国の裁判所から米国防総省の中国軍関連企業指定の解除命令を受け、米国人投資家による同社株の購入と保有が全面解禁されたことで急伸し、指数の上げを主導した。

 週後半は、人民元レートの対米ドル基準値が3日連続で元高方向に設定され、上海市場で元高が加速したこと受け、今後、海外からの資金流入が加速するとの思惑で買いが強まった。また、4月工業部門企業利益が前年比57.0%増と、3月の同92.3%増から伸びが鈍化したことで、金融引き締め懸念が後退したことも追い風となった。

 週末28日は、急速な相場上昇を受け、上げが一服。5営業日ぶりに小反落となった。

 今週(5月31日-6月4日)の株式市場は、引き続き、米中関係や国内外の新型コロナ感染とワクチン接種の動向、世界経済の動向、海外の金融市場の動向、国内では政策引き締めの動きや人民元相場、原油などのコモディティ相場などが注目される。主な経済指標の発表予定は31日の5月製造業PMI(購買担当者景気指数)や1日の5月財新製造業PMI、3日の5月財新サービス業PMIなど。

<関連銘柄>

 上証50連動<1309.T>、上場パンダ<1322.T>、上場チャイナ<1548.T>、

 H株ブル<1572.T>、H株ベア<1573.T>、中国A300<1575.T>、

 南方A50<1576.T>、iSエマジン<1582.T>

提供:モーニングスター社

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