セゾン投信の2ファンド、21年5月の流入超過額は設定来最大、長期保有傾向際立つ

投信

2021/6/7 16:25

 セゾン投信が運用する「セゾン バンガード・グローバルバランスファンド」と「セゾン 資産形成の達人ファンド」2ファンドへの資金流入が続いている。モーニングスター推計によると、21年5月の純資金流入額はそれぞれ25億円、27億円となり、揃って設定(両ファンドともに07年3月)来で最大となった。両ファンドともに設定から21年5月までの171カ月中166カ月で純資金流入となり、「セゾン バンガード・グローバルバランスファンド」は89カ月連続、「セゾン 資産形成の達人ファンド」は53カ月連続で純資金流入となっている。

 同社は「長期・積立・国際分散」の3原則を掲げる。「セゾン バンガード・グローバルバランスファンド」は、バンガードのインデックスファンドに投資することで、国内外の株式と債券に分散投資するバランスファンド。日本を含む世界30カ国以上の株式と10カ国以上の債券に投資するが、株式と債券の比率は原則として50:50とシンプルである。個人投資家の人気が高く、投信ブロガーが支持するファンドに投票する「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2020」では第4位となった。「セゾン 資産形成の達人ファンド」は、「長期投資」という投資哲学に基づいて運用されるアクティブファンドへの投資を通じて、日本を含む世界の株式に幅広く分散投資する。

 両ファンドはいずれも平均保有期間(*)が相対的に長い。「セゾン バンガード・グローバルバランスファンド」の21年4月時点の平均保有期間は12.7年。同月末時点のバランス型の純資産残高上位3ファンドを見ると、「東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)」(愛称:円奏会)が7.2年、「投資のソムリエ」が6.8年、「財産3分法ファンド(不動産・債券・株式)毎月分配型」(愛称:財産3分法ファンド)が5.0年であり、「セゾン バンガード・グローバルバランスファンド」の長さが際立つ。16年4月以降の各月末時点の推移を見ても、全期間で同ファンドが上回った。

 「セゾン 資産形成の達人ファンド」の21年4月時点の平均保有期間は7.0年となった。国際株式型ファンドの純資産残高上位3ファンド(集計の関係から運用期間6年以上が対象)の「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)」の5.1年、「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」の6.9年、「netWIN GSテクノロジー株式ファンド Bコース(為替ヘッジなし)」の1.7年をいずれも上回った。

 21年4月末時点の過去10年間のトータルリターン(年率)は、「セゾン バンガード・グローバルバランスファンド」が8.32%でモーニングスターカテゴリー「安定成長」平均の5.63%を2.69%上回り、カテゴリー中上位2%(136本中2位)、「セゾン 資産形成の達人ファンド」は14.78%でカテゴリー「国際株式・グローバル・含む日本(為替ヘッジなし)」平均の10.17%を4.61%上回り、カテゴリー内上位7%(80本中5位)となった。

 長期的に良好なリターンを獲得している点が投資家の資金を集めている一要因となっている。また、長期的な資金流入傾向がある中で1カ月当たりの純資金流入規模がそれ程大きな額ではない点や、平均保有期間の相対的な長さを考えると、長期スタンスの投資家が積立で購入していることもあると見られる。

 21年6月3日時点の純資産残高は「セゾン バンガード・グローバルバランスファンド」が2657億円、「セゾン 資産形成の達人ファンド」が1562億円で合計は4219億円。安定した資金フローを背景に着実に拡大している。

*平均保有期間の計算式は「純資産額÷解約額」。純資産額は当該月までの1年間の期初・期末の平均、解約額は1年間の累計を使用。毎月末時点において、現状の解約のペースが続いた場合に保有者がどのくらいの期間で入れ替わるかを試算する。

提供:モーニングスター社

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