日本株の読み筋=もみ合い商状か、米インフレ警戒くすぶる、国内ワクチン接種進展は引き続き下支え

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株式

2021/6/7 16:35

 あす8日の東京株式市場で、主要株価指数はもみ合い商状か。前週末4日発表の米5月雇用統計が市場予想ほど増加せず、早期の金融引き締め観測の後退から米国株式が上昇し、週明け7日の日本株高につながったが、米インフレへの警戒感はくすぶっており、積極買いは期待しにくい。現地11日には米5月CPI(消費者物価)が発表される。前回4月CPIでは予想を上回る高い伸びを示したことで、5月12日の米国市場で長期金利の上昇とともに米国株が下落し、翌13日の日本株も連鎖安となっただけに結果を見極めたいとの空気が強まりやすい。

 もっとも、国内での新型コロナウイルスのワクチン接種は着実に進展しており、先行きの経済活動の正常化をにらみ、売り込みにくい面もあり、引き続き下支え要因として意識されよう。また、3月末配当金の支払いが6月中に相次ぐため、配当の再投資が需給面でのサポートになり得る。

 7日の日経平均株価は反発し、2万9019円(前週末比77円高)引け。前週末4日の米長期金利の低下に米国株高を受け、寄り付き直後に300円近く上昇する場面があった。一巡後は戻り売りに上げ幅を縮小した。市場では、「国内に手掛かり材料がなく、上がれば利益確定売りが出て上値が重くなる」(中堅証券)との声が聞かれた。

提供:モーニングスター社

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