日経平均は97円高と3日ぶり反発、米CPIを控え模様眺めもワクチン接種の拡大が支え=10日後場

 10日後場の日経平均株価は、前日比97円76銭高の2万8958円56銭と3日ぶりに反発して取引を終了した。朝方は売りが先行したものの、時間外取引で米株価指数先物が堅調に推移するなか、新型コロナワクチン接種の拡大による景気回復期待が支えとなり、上げに転換。午前10時6分には同146円73銭高の2万9007円53銭を付けた。ただ、買い一巡後は、手がかり材料難のなか、現地10日に米5月CPI(消費者物価指数)の発表を控えることから、米国市場の反応を見たいとして模様眺め姿勢が強まった。外国為替市場では、ドル・円相場が109円50銭台と、朝方からもみ合い商状が続く。東証1部の出来高は10億2805万株で4日ぶりに10億株を超え、売買代金は2兆4042億円だった。騰落銘柄数は値上がり991銘柄、値下がり1066銘柄、変わらず71銘柄だった。

 市場では「CPI発表を控え、日経平均株価は小動きだったが、個別銘柄の循環物色は続いており、投資意欲は衰えていないようだ」(中堅証券)との声が聞かれた。

 業種別では、郵船<9101.T>、商船三井<9104.T>などの海運株や、王子HD<3861.T>、日本紙<3863.T>などのパルプ紙株が上昇。オリンパス<7733.T>、HOYA<7741.T>などの精密機器株や、日本製鉄<5401.T>、JFE<5411.T>などの鉄鋼株も高い。AGC<5201.T>、TOTO<5332.T>などのガラス土石株や、塩野義薬<4507.T>、中外薬<4519.T>などの医薬品株も堅調。DeNA<2432.T>、リクルートH<6098.T>などのサービス株や、花王<4452.T>、富士フイルム<4901.T>などの化学株も上げた。東証業種別指数は33業種のうち、13業種が上昇、20業種が下落した。

 個別では、コーナン商<7516.T>、EMシステム<4820.T>、サニックス<4651.T>、SREHD<2980.T>、アセンテック<3565.T>などが上昇。半面、ペッパー<3053.T>、エーザイ<4523.T>、ツカダGH<2418.T>、宮越HD<6620.T>、ケミファ<4539.T>などが下落した。

(写真:123RF)

提供:モーニングスター社

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