<新興国eye>トルコ政府、東部のモラカラ金鉱山で高純度の金鉱脈を確認―金生産拡大に寄与へ

新興国

2021/6/11 14:17

 トルコのムスタファ・ワランク産業技術相は10日、同国東部のアール県にあるモラカラ金鉱山で約20トンの金の埋蔵量と3.5トンの銀の埋蔵量が確認されたことを明らかにした。金の埋蔵量は市場価格で12億ドル(約1313億円)、銀は2800万ドルとなっている。地元紙デイリー・サバ(電子版)などが伝えた。

 モラカラ金鉱山はトルコ鉱山大手コザ・アルティン・イスレットメレリが開発した鉱山で、トルコ国内の金鉱山の中ではトップクラス、高純度の金鉱脈があることで知られる。コザは16年7月、エルドアン大統領に対し、クーデター未遂事件を起こしたとされるイスラム系の市民団体ギュレン集団とのつながりが発覚したため、現在はトルコ預金保険機構(TMSF)の管理下に置かれている。

 同相はモラカラ金鉱山の金鋳造施設の着工式に出席した際に、記者団に金の埋蔵量を明らかにした。同相は、「金の埋蔵量が確認されたことで、同地域の発展にとどまらず、トルコの金の生産国として地位が高まり、金の生産拡大がトルコ経済の発展にも寄与する」と述べている。鋳造施設は22年10-12月期の完成する予定。

 現在、トルコの金の確認埋蔵量は1175トンで、世界12位となっている。トルコでは01年から金の生産が開始され、当時はわずか1.4トンだったが、20年の金の生産量は42トンに達した。この20年間で計382トンの金が生産され、金換算で76トン相当の税収が国庫に納められている。21年の金の生産量は45トンの計画だが、5年後には年間100トンに拡大する見通しだとしている。

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 上場MSエマ<1681.T>

提供:モーニングスター社

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