来週の日本株の読み筋=強弱感が対立か、テーパリングめぐり神経質に

国内市況

株式

2021/6/11 17:00

 来週(14-18日)の東京株式市場では、強弱感が対立か。日経平均株価は底堅さを維持する半面、上値は75日移動平均線や日足一目均衡表の「雲」に押さえられている。背景要因としては、欧米金融当局のテーパリング(債券の購入規模縮小)への考え方に神経質になりつつ、一方向に傾けづらい状況にある。

 10日に発表された米5月CPI(消費者物価指数)は、市場予想を上回る伸び(コアベースで前年同月比3.8%増)となった。それにも関わらず長期金利が低下したように、インフレに対する警戒感は以前ほど強くはないが、その懸念が解消したわけではない。15、16日に開催されるFOMC(米連邦公開市場委員会)では、当局者らのこれまでの発言を踏まえると、早期にテーパリング議論が始まる可能性は低い。それでも経済見通しなどを通じて、大規模緩和の出口を示唆するファクターが生じれば、今度こそ市場は敏感に反応(米長期金利上昇)するだろう。

 もっとも、インフレは景気と連動することが多く、物価高は企業の売上高の伸長にも結び付きやすい。新型コロナウイルスのワクチン接種が国内外で進む中で、やはり中期的には景気拡大による株高(業績相場)が意識される面もあろう。

 スケジュールでは、国内で16日に5月貿易統計、17日に日銀金融政策決定会合(18日まで)、18日に5月消費者物価、黒田日銀総裁会見などが予定されている。海外では15日にFOMC(米連邦公開市場委員会、16日まで)、米5月小売売上高、米5月鉱工業生産・設備稼働率、16日に中国5月小売売上高、中国5月工業生産、中国5月都市部固定資産投資、パウエルFRB議長会見(経済見通し発表)などがある。

 11日の日経平均株価は小反落し、2万8948円(前日比9円安)引け。方向感に欠ける展開となった。朝方は、米長期金利の低下を背景に10日の米国株式が上昇した流れを受け、買いが先行した。いったん下げに転じた後切り返したが、再度軟化。株価指数先物に断続的な売りが出て一時2万8839円(前日比119円安)まで値を下げた。その後、再びプラス圏に持ち直し、一時2万9080円(同122円高)まで値を上げたが、買いは続かず、前場終盤にかけて小安い水準に押し戻された。後場は、小幅高に戻す場面もあったが、上値は重く、総じて前日終値近辺でもみ合った。週末で手掛かり材料に乏しく、様子見気分となった。市場では、「ワクチン接種進展による経済活動正常化への期待は聞き飽きた感があり、新たな手掛かり材料が欲しい」(中堅証券)との声が聞かれた。

提供:モーニングスター社

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