<新興国eye>インドネシア中銀、市場予想通り政策金利を据え置き―FRB動向を注視

新興国

2021/6/18 11:33

 インドネシア中央銀行(BI)は17日の理事会で、主要政策金利の1週間物リバースレポ金利を過去最低水準の3.50%に据え置くことを決めた。市場予想通りだった。過剰流動性を吸収するための翌日物預金ファシリティー金利(FASBIレート)は2.75%、翌日物貸出ファシリティー金利は4.25%と、いずれも据え置いた。

 中銀は新型コロナのパンデック(感染症の世界的大流行)による景気悪化を受け、景気回復を支援するため、20年の2月から利下げを再開。7月まで4会合連続で利下げを決めた。利下げ幅が計1.00ポイントに達したことから8月は据え置きに転換。10月まで3会合連続で現状維持とした。しかし、国内経済が2期連続でマイナス成長となったため、11月会合で7月以来、4カ月ぶりに0.25ポイントの利下げに踏み切った。利下げ幅が計1.25ポイントに達したため、利下げ効果を見るため、12月会合で据え置きに転じた。21年2月会合で3会合ぶりに利下げを再開したが、3月会合以降、今回で4会合連続の据え置きとなった。

 中銀は会合後に発表した声明文で、政策金利を据え置いたことについて、「今回の据え置き決定はインフレが今後も低水準で抑制される見通しの中で、(ドルに対し下落している)通貨ルピア相場を安定させ、また、景気を回復させる必要性と合致する」と前回会合時と同様、ルピア相場の行き過ぎた下落を阻止することに加え、景気回復を一段と強めたい考えを示した。

 今後の金融政策についても、前回会合時と同様、「景気回復の勢いを支援するため、金融緩和政策とマクロ・プルーデンスな政策(金融システムの安定を目指した政策)のポリシーミックス(複数の経済政策手段の一体運営)を最適化していく」とし、具体的にはルピア相場の安定(過度の相場下落阻止)のため、経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)を反映した動きとなるよう、(ドル売り・ルピア買いの)市場介入を実施すること、また、引き続き、金融緩和スタンスを補完するため、公開市場操作(オペ)などの金融市場ツールを強化するとしている。

 ルピア相場については、「インドネシアの国内経済見通しに対する投資家の判断が改善し、海外から資金流入が続いていることや、われわれの為替相場安定策により、ルピア相場は強くなっている」とした。6月16日時点での対ドル相場は、5月に比べ平均で0.49%上昇している。

 また、中銀のペリー・ワルジョ総裁は会合後の会見で、FRB(米連邦準備制度理事会)が16日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で、インフレ加速懸念を示し、23年末までに2回の利上げ予測を示したことについて、「今後の(FRBの政策決定による)影響について十分に警戒し、為替相場と金融市場の安定に努める」とした。また、同総裁はFRBのテーパリング(量的金融緩和の段階的縮小)は22年1-3月期まで開始されないとの見方を示している。

 中銀は、米長期金利の上昇によるルピア下落圧力に警戒感を持っている。このため、中銀は海外への投資資金の流出を防ぐためには景気支援の追加利下げが難しくなっており、当面、中銀は金融緩和スタンスの維持には政策金利よりも量的金融緩和に重点を置かざるを得ない状況だ。ワルジョ総裁もこの点について、前回5月会合で、「もしポリシーミックス(複数の経済政策手段の一体運営)への変更が必要になれば、われわれは政策金利を調整するよりも前に、まず流動性に関する金融政策手段を検討する」としている。

 インフレ見通しについては、5月のインフレ率が前年比1.68%上昇と、4月の1.42%上昇を上回ったが、「依然抑制されている」とし、その上で、「21年のインフレ率が物価目標(3%上昇±1%)内に抑制することにコミット(積極的に関わる)している」とし、2-4%上昇の物価目標を据え置いた。21年の景気見通しについても前年比4.1-5.1%増に据え置いた。

 次回の金融政策決定会合は7月21-22日に開かれる予定。

<関連銘柄>

 アジア債券<1349.T>、上場EM債<1566.T>、iSエマジン<1582.T>、

 アセアン50<2043.T>

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