<新興国eye>トルコ中銀、主要政策金利を据え置き―市場予想通り

新興国

2021/6/18 11:33

 トルコ中央銀行は17日の金融政策決定会合で、インフレを抑制するため、主要政策金利である1週間物レポ金利を19.00%の高水準で据え置くことを決めた。市場予想通りだった。

 中銀は20年9月会合で新型コロナのパンデミック(感染症の世界的大流行)による経済への悪影響が薄れ、景気回復ペースが速まりインフレが加速し始めたとして、18年9月以来2年ぶりに2.00ポイント利上げした。10月に金利を据え置いたが、11月会合で一段とインフレを抑制するため、政策金利を一気に4.75ポイント引き上げ、12月の前回会合でも2.00ポイントの追加利上げを決めた。1月会合と2月会合では一連の利上げ効果の様子を見るためとして据え置きを決めたが、前回3月会合で2.00ポイントを引き上げ、利上げ幅は20年以降で計10.75ポイントに達した。据え置きは前回5月会合に続いて、これで3会合連続となる。

 中銀は会合後に発表した声明文で、主要政策金利を据え置いたことについて、「パンデミックに伴う経済規制の影響で4-6月期の内需の伸びはやや減速したが、ワクチン接種の加速でサービス業や観光業が回復しており、国内の経済活動は強い状態にある」とした上で、「高水準のインフレとインフレ期待がインフレ見通しの(上ブレ)リスクとなっていることを考慮すると、4月の四半期インフレ報告書で示されたインフレ率の大幅低下見通しが達成されるまで今の金融引き締めスタンスが維持される必要があると判断し、金融引き締めスタンスを据え置いた」としている。

 金融政策の見通しについては前回会合時と同様、「強いディスインフレ(物価上昇率の鈍化)効果を維持するため、インフレ指標が持続的に低下し、中期の物価目標である5%上昇に収束するまで、政策金利はインフレ率を絶えず上回る水準で決められる」とした。

 トルコ統計局が3日発表した5月のCPI(消費者物価指数、03年=100)は前年比16.59%上昇と、19年半ば以来、約2年ぶりの高い伸びとなった4月の17.14%上昇を下回り、8カ月ぶりに伸びが減速。市場予想の17.25%上昇をも下回った。ただ、依然高水準に変わりはない。5月CPIの伸びが鈍化したのは、5月に新型コロナの感染が再拡大し、ロックダウン(都市封鎖)が再実施されたためで一時的とみられている。

 次回の金融政策決定会合は7月14日に開かれる予定。

<関連銘柄>

 上場MSエマ<1681.T>

提供:モーニングスター社

関連記事

マーケット情報

▲ページTOPへ